なんか忘れてるきもするけど、2015年見た映画いちおうランキング。でもそのときの気分によって順位ってけっこう変わるものよね。
1:TNGパトレイバー 首都決戦ディレクターズカット
五月にDC版を公開しなかったのは、なんらかの圧力がかかったんじゃないかと、今でもちょっと疑ってる。毀誉褒貶はいつものように激しいけど、長年のファンとしてはようやく決着がついた気分だし、五月の縮小版で削られた部分はきっちりいま現在に着地してて、押井原理主義者でよかったと思えた。
2:ストレイト・アウタ・コンプトン
アメリカにおける差別のやりくちが共産党中国と変わらないのにも驚く。数人寄り集まってるだけで問答無用でホールドアップさせて所持品検査とか、白人側にいる黒人警官はより苛烈に黒人を締め上げたりとか、「国家分裂罪」扱いで歌を禁じたり。ラップに興味なくても、なんらかの「差別」に関心のある人なら面白いと思うので、ぜひ!
3:ルンタ
上記『ストレイト・アウタ・コンプトン』でよりも、さらに苛烈な国家の圧力下にあるチベット人の、致し方ない抵抗のかたちをリポートする映画。映画の構造が、死の知らせ、死者の生前の様子、そのふるさとや死の場所への訪問、そしてお経と、お葬式の流れのようでもある。とはいえ淡々としながらユーモアもある。切り口によって見え方の違う映画。
4:マッドマックス 怒りのデス・ロード
V8! V8! V8! わたしにしては珍しく、上記『ルンタ』以外では二度、見ました。
5:ハーモニー
わたしにとっては下記『ボクは坊さん。』や『エベレスト 3D』より、生命に関して切実に感じるところのある映画。声優のプロの仕事にひさびさに感動した映画でもある。
6:エベレスト 3D
時空間が気圧風圧その他で捻じ曲がる山の恐怖をまざまざと思い起こさせる映画。そして3Dで見ることに意義がある一本。
7:ボクは坊さん。
言葉ではなく表情と間で、俗世と宗教の間の溝を描く瞬間があり、そこがとにかくものすごかった。四国の自然と仏教習俗もみどころ。
8:屍者の帝国
かなりBL臭紛々たる仕上がりですが、原作でもむちゃくちゃだなあ、というクライマックスが、映像にするとやっぱりむちゃくちゃで、楽しかったけど完全に納得させられたかというと、うーん?
9:キングスマン
楽しかった。スーツのおっさんがエロかった。GOGO夕張がガングロになって出てきた。以上!
10:ルック・オブ・サイレンス
やるせなさ、という一言ではあらわせない一作。それでも見るべき一本。
選外:TNGパトレイバー 首都決戦
DC版の予告編で「これは語るべきテーマが詰まった特濃版」と出るけれど、それは正しい。DC版じゃないこちら は、映画の方向性を決めるある重要なセリフが抜けていて、テーマがなんだかわからないからだ。そのセリフはあるとないとじゃ、ストーリー自体がそもそも違ってしまう、それほど重要なセ リフなのに。