『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』、せつなかった。脳の老化と闘う93歳のホームズを、70代後半のイアン・マッケランが演じる。
真田広之演じる梅崎が、ホームズを日本に呼び寄せた魂胆が明らかになるにつれ、広島の爆心地に連れて行き、そこに生えている山椒を持ち帰らせた意味を考えてしまう。
しかし、もし梅崎が原子爆弾の被爆後遺症を知っていたとして、93歳に果たしてその復讐は有効かどうか。
それよりもやはり切ないのは、往時のホームズならすぐに気付いただろう、アナフィラキシー・ショックの原因追究にあれだけの時間がかかったこと。梅崎に書いた手紙は、様々な老化という現実からショックを受けたホームズの、嘘も方便、だったのだろうか。