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バレエのことを語る

昼間のアナニアシヴィリの「瀕死の白鳥」が繰り返し瞼に蘇る。最期、力尽きる白鳥、ふっと舞台の床に腕、そして手が落ち、同時に二階席まで聞こえた、こつん、という音。その、こつん、を陳腐にさせない、本当に鳥ならそんな音はしないはず、とかそういうツッコミを跳ね除ける、そこに至るまでの一連の踊り。

ラストのその、こつん、からすぐの暗転と同時に涙が滲む。夫の人はロパートキナのそれは白鳥にしか見えず、アナニアシヴィリのはダンサーに見える、と言うのだが。今夏見逃してしまったがザハロワのそれも生で見たい。この演目は、踊り手の舞踊言語の違いが本当に際立つ。