古事記の神武東征説話もただ読んでいると意義がわからないところが多いが、兵法論的に読んでみるとどうか。まずは動機。
イワレビコは「天下平定するのに良いところはどこか、東に行ってみよう」と言って出発する。これは孫子の言う「衢地」を押さえに行こうという意味にとれる。衢地は四方から道の集まるところ、交通の要衝で、他のものに取られると自分が従属する立場になりかねないという危機感を読み取れる。
次に速吸の門で国つ神のサヲネツヒコを味方に付けたというのは、現地の人を傭って間者として使う「郷間」を引き入れたということになる。
古代史妄想のことを語る