家族絡みの映画といえばふと思い出したけど、『カメラを止めるな!』と『search/サーチ』が似てる、みたいな話があって、低予算だとか無名俳優を使ってる(ジョン・チョーは無名じゃねえよ!)とかをその理由にしている記事を見たことがありましてな。その記事があげた似ている点のひとつに当然「父と娘」の話っていうのがあって。
私『カメラを止めるな!』面白かったけど、その父と娘の部分だけはなんか嫌だった。でも『search/サーチ』はそういうのなかった。こっちの方がよりストレートに父と娘の話なんだけど。
私はどうしてもこういうテーマで娘の視点で見るのだけど、『カメラを止めるな!』は、娘が自分の思い込みというか年頃特有のなのか、そういう事情で父に反抗的だけど、実際の父の働く姿を見て考えを変えるという、父はまったく変わらずに娘が歩み寄る話で、そういうの私は受け付けない。これは私の個人的な経験からくるので、もうどうしようもないのだけど。私としては父を嫌うのははっきりとした理由(暴力)があったのだけど、周囲にも本人にも母親にすら「年頃だから仕方ない」「娘が大人になれば変わる」と思われてたし言われたし私が変わる事ばかりを求められた苦い経験がある故に「娘が変わって父親に歩み寄る」という構図がもう本当に駄目。他のアイディアとか台詞の絶妙さとかキャラクターの良さとか全部いいんだけど、どうしてもこういうの入れないといけなかったのかな、みたいな小さなもやもやは残った。
『search/サーチ』は逆で、失踪した娘を探す過程で、父親が自分の娘に対する行動の重大な間違いに気付いて、そこを修正する描写がある。
ざっくり「父と娘」の話といっても、受容される側が逆だから、受ける印象は全く違った。この2作品はキーワードが近くても内容的にはそんなに似てないと思う。
あと繰り返して言うけどジョン・チョーは無名俳優じゃないしな!!
むしろハリウッドの人種問題でアジア系俳優の扱いが話題になった時、あのシリーズもあの映画もジョン・チョー主演でいいんじゃね?ってコラを沢山作られたくらいの、現在のハリウッドではアジア系俳優の代表格みたいな人だし、今回のキャスティングもそれを受けてのものらしいから、「無名俳優を使っている」というのも類似ポイントとして挙げるにはまったく的外れだからー!
穴の塞がったえむぞうのことを語る