ところで以前から、刀ブームに便乗して三好宗三(政長)父子の記事を書こうと思ってるんですが、宗三左文字について一番知りたい、三好政長→武田信虎→今川義元と渡った経緯が分からないままなので書けてません。
天文12年に上洛した信虎が政長から贈られた説、天文18年の政長討死後に拾われて弘治~永禄初期に京都に在住していた信虎が入手した説、知ってる限りでは出所が分かっているのはこの二説ですが、どちらも信虎が甲斐を追放された後になるので、Webで広まっている、信虎の娘が義元に輿入れする際に持たせたという話は成り立ちません。
あの話が広がってるのは多分Wikipediaの「宗三左文字」が原因だと思うんですが、その参考文献欄にあった「高瀬羽皐 『詳註名物帳』 嵩山堂、1933年」を近代デジタルライブラリーで検索してみたら、羽皐隠史『詳註刀剣名物帳』という本がありました。なんか著者名は違うけど同一人物っぽい?
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/951684/153
「この刀は宗三盛時に甲斐の武田信虎に贈る、信虎の長女駿河の今川義元に嫁する時聟引出物として義元に贈る」とあり、これが出所でしょうか。
同じ著者の『英雄と佩刀』にも同様の記述がありました。刀剣方面で誰かが言い出して、通説化した話なんでしょうか。
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/946231/22
むしろ、普通に読み物として面白そうな本ですけど…。