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ホリィ(新人)のことを語る

今日で出来はともかく試験終わったので、記念に(?)本屋で新刊チェック&流し読みしてきました。

ちょっとお値段高めだけど面白そうだったのが、川岡勉先生が編者を務めてらっしゃるこの論集。
『中世の西国と東国-権力から探る地域的特性』(戎光祥出版)
http://www.ebisukosyo.co.jp/products/detail.php?product_id=25

黒嶋敏「室町幕府と遠国・境界-<二つの将軍家>再考-」が面白かったです。
明応の政変以降の義材派と義澄派それぞれと地方勢力の関係を、義稙政権期の伊達稙宗への偏諱授与と左京大夫補任を例に説いた内容。

あと山田貴司「西国の地域権力と室町幕府」も色々と響く内容でした。
遣明船派遣を巡る細川・大内の対立から始まり、義稙による大内・大友両氏の和睦、これに反対する細川高国と大友氏の提携に至る流れなど。
細川持隆や足利義維の正室が大内義興の娘というのが流れ的に分からなかったんですが、義稙は高国と対立して京都を離れ、最終的に阿波へ逃れて義維を養子にしてるわけで、その流れなのかな。
「戦国三好一族」ではそもそも義稙と高国の対立は、大内義興が帰国した隙を狙って細川澄元・三好之長が上洛して高国を近江に追いやり、義稙が澄元を管領として認めたことが原因とされてましたが、どうもそういう単純な話ではなさそう。
阿波守護細川家(讃州家)については三好氏とは別にちゃんと押さえた方が良さそうです。足利義維をガン無視してた三好政権が、長慶の死後に義栄擁立に至った原動力もよく分かりませんし。