著作権情報センター(CRIC)のウェブサイトへの広告掲載料8100円は必須条件となりますが、「権利者捜し」の広告掲載実施が申請の承認を保証するわけではなく、承認された場合にも「通常の使用料額に相当する補償金」が必要です。(いくら必要か申請時点では分からないってことです…?)
PDFですが参考になる資料を見つけました。
中山英明「デジタルアーカイブの利活用」
http://www.jpaa.or.jp/activity/publication/patent/patent-library/patent-lib/201510/jpaapatent201510_007-014.pdf
今回のような権利者の存否や所在が不明な著作物は「孤児著作物」と呼ばれ、これを解決するための仕組みが文化庁の裁定制度だそうです。
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相当な努力の要件が緩和されたとはいえ,一度の裁定が永遠に有効なものではありません。例えば,孤児著作物のデジタル保存物を元の著作物とは異なるメディアに利活用しようとする場合や,裁定で申請した利用期間を経過した場合等には,利用者は改めて文化庁長官の裁定を受けなけ
れば適法な利用になりません。また,一度裁定が認められた孤児著作物について,第三者がその孤児著作物を利用するには,別途裁定を申請する必要があります。このような2 回目以降の裁定申請手続をまとめて「再裁定」と呼びます。
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僕が先に進めるとすると、この「再裁定」のケースですね。再裁定の要件を緩和してもいいのではないか、と提言されています。
EUの動向として孤児著作物指令があり、公的なアーカイブが所蔵する著作物のうち「入念な調査」でも権利者が判明しなかったものについては、第三者がデジタル化してオンラインで公開しても良いそうです。
日本でも今後は同様の方向で改善される可能性はあるようですが、TPPの結果は全く逆方向だし…。
今回のように著作権の保護期間を満了していることが確実と言っていい場合でも、第三者が利用しようとすると毎回同じ手続きを踏まなければいけないなんて、せっかく近代デジタルライブラリーに収録され公開されていても、埋もれる一方ですよね。
国立国会図書館では公開調査もされていますが、過去の集計結果を見るととても追いついていないようです。
https://openinq.dl.ndl.go.jp/search