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ホリィ(新人)のことを語る

今日は大阪歴博講堂でのこのイベントに行ってきました。天野忠幸先生と須藤茂樹先生の講演が目当てです。
徳島県人会近畿連合会主催「近畿とくしま歴史講座」第6回
http://kinki-tokushimakenjinkai.betoku.jp/article/2016120500021/
天野先生のお話は常連的には特にいつもと違ったところはなかったんですが、三好ファンではなく普通の徳島県人会の方や近所の歴史好きの方にリーチするという意味で重要なのでしょうね。
特に、今は「なんでも鑑定団」での曜変天目茶碗の件で、にわかに三好長慶の名前を知ったという人もいるでしょうし。
両先生の対談でもその件の話が出まして、須藤先生はTV朝日からのインタビューに答えたそうですが、長慶が茶会に参加した記録はないものの、三好宗三には当時の史料である「天王寺屋茶会記」にも宗三主催の茶会で曜変天目が使われた記録があること、三好実休は近世の記録には所持名物として曜変天目が挙げられていることから、三好氏由来の曜変天目が阿波に存在した可能性はあると答えたにもかかわらず、放映で使われたのはコメントのうち否定的な部分だけだったそうです。
結局、多くの視聴者も制作者も揉め事やら憂さ晴らしとして叩きやすいネタを探してるだけなのかもしれませんね…。
TV東京の制作側や鑑定した中島氏はノーコメントを貫いてるようですが、野次馬の矛先が持ち主にも向いてるらしくて、かなりショックを受けているそうです。はっきり言ってとばっちりでしかないと思うんですが…。
あと天野先生がこの件で許せないと思ったのは、信長が持っていれば0がもう1個増えてたとかなんとか中島氏が言ってたことだそうです。
実際には信長が収集したという名物だって、宗三の旧蔵が10点、実休の旧蔵が8点、松永久秀の旧蔵が10点。安宅冬康の旧蔵が2点と、三好一族の手を経た物が非常に多いそうで、そりゃ確かに何言ってるんだって話ですわな。まあでも、天野先生らしいというか(笑)
あと2001年に須藤先生が徳島城博物館で企画した三好長慶の特別展を、当時大学院生だった天野先生が見に行って、それで三好氏の研究で行くと心に決めたそうで、その時購入した図録の1冊は永久保存版できれいなまま残していて、もう1冊は研究で何度も読んでるからボロボロになってるっていう話が良かったです。