「『ダメだしされるとふくれるのは料理は俺の仕事じゃないと思ってるから』って言ってたけどね」
「ああ、うん」
「結婚するとき『家事は一切しないでいい』って言ってたよね、家事が俺の仕事じゃないなら誰の仕事だと思ってるの」
「ああ、そうだね。まったくだ!」
「たまたまはてこが『家事やんなきゃ』と思う人だったけどさ、やんない人だったらどうすんの、家中ぐちゃぐちゃじゃになって、それを大目に見てあげてるのが愛情とでも思ってんの」
「ああ、うん、そうだね」
「約束とか契約とか真剣に考えてないから結婚式もドタキャンして、」
「うん、そうだね、あのさ」
「なに」
「俺いま話聞いててもさ、『嵐よ過ぎ去れ』くらいにしか思ってないんだよね、ほんと反省する」
外は雨。
「20時か21時ごろ帰る」と言っていたのに「22時までには帰る」と電話が。
クックック、こんなこともあろうかと一人鍋の準備をしていたのよ。もう食べられるわ。
今回の勝負、あたしの勝ちね!
「今日は帰りにボクシング行ってくるからね!」
と朝から何度も言っていた。こっち来てからすっかり肉体派だ。肩も腕もすごい。
感染したらまずいのに風邪引いた妻に忍び寄ってくる。
「風っ邪引いたっつわあ!」
「愛があればだいじょーぶー♪」
・車移動になって通勤電車内で勉強できなくなった
・報奨金が出なくなったので報奨金ハンターは廃業
明日の試験、危ない。
ジョナサンを見てひとこと
「おかしくなってしまったんだな、奥さん。エリナだっけ?」
ジョナサン違い。
ストレスと過労により絶賛抑鬱状態中。
言いがかり曲解自己卑下の合わせ技で覆面レスラーなみに挑発してくる。
デスマ進行で熊と踊りながら連日連絡なしの午前さま帰宅で
「はてこさんがお風呂や食事を用意しているせいで睡眠時間がない」
とウルトラCな因縁をつけられて憤懣やるかたない日々だった新婚時代を思い出す。
10回目の結婚記念日を明日に控えてのロマンチックな演出なのかもしれない。
辛いこと続きで胃をやられ、心底凹んで
「俺なんか頭も悪いし面白いことも言えないしぜんぜんダメだ」
と現実離れしたことを言い出した。
七尾旅人の「サーカスナイト」の歌詞が聞き取れない。
「ダイトクタンシン、ダイトクタンシンってなんだよ。独身は得をするってことか」
大得単身じゃなくてTight rope dancingだった。
はてこママンの新居に現れた不審者にお冠。
「許せん。遭わせてやりたい」
「たとえば?」
「まず爪を剥ぐぐらいのことはする」
もちおを怒らせたらいけないなと思った。
「押し問答って英語で言うと”Push Q&A”かな」
またボクシングを始めるつもりらしい。馬鹿になるぞ。
報奨金が出ない環境で将来への投資として再び資格取得に励み始めた。
妻が買ってきたドッヂボールサイズのボールで遊んでいる。
「いいでしょ、それ」
「いいね」
「それと同じくらいのサイズで、ギムニクボールっていうのがあってね
「牛肉ボール?」
「違うよ」
「煮込み料理に使うんか」
「違うよ」
YMO~Pocketful of Rainbows~

「これ誰が歌ってんの? SHAZNA?」
なぜ?!
梅酒で酔っ払っている妻。
「酔ーっぱらいらい」
「酔ーっぱらいらい 愉快痛快 酔っ払いくんは 今だけ世界のプリンスだい!」
プリンセスでお願いします。
諸事情によりマスオさん生活満三週間を経過。
飲み仲間として捕まえて離さない舅。
「妻より舅と話す時間が長くなってるよね」
「そうだな」
「話してるんじゃなくて相槌打ってるんだよね」
「そうだな」
「ホストだ」
「指名ナンバーワンじゃん」←甥太郎
焼き鳥屋の前で喧嘩。
「もちおが悪いよ!」
「そうかもちおが悪かったか」
「今日はもちおに焼き鳥食べさせないからね!」
「わかった、今日は豚バラを食べよう」
諸事情により妻実家から仕事に通う日々。
「父は毎週木曜には出かけるんだって。今朝わたしたちが起きたときにはもう出かけてたみたい」
「今日って木曜だよね?」
「そうだよ」
「さっきお父さんが『明日は土曜だからうなぎ買ってきた』って何度も言ってたんだよ・・・大丈夫かな」
それは、土用だ。
風呂上りに
かーい かいかい かーい かいかい
不快 すご痒い 蚊に刺されたよ
もーちおのお尻はうまいのかい
と歌いながら尻を掻いていた。