「はてこが地獄に落ちたら、どれくらいの助けがあるかな」
蛾を流しから救い出したところでした。
/今日のダンナ
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「はてこが地獄に落ちたら、どれくらいの助けがあるかな」
蛾を流しから救い出したところでした。
「はてこ、最近facebookできれいでかわいいってほめられるの」
「はてこはきれいでかわいい」
「それは、もちおを愛してるせいじゃないかと思うの」
「そうだな!」
「愛するもちおのそばにいるから、きれいでかわいいっていわれるんだと思うの」
「そうとも。もちおは美の化身、ヴィーナスの生まれ変わりなのさ!」
「え」
「もちおに近づく者は美しくなるのさ!」
美人フィルターの話題から意外な展開に。
高速バスシートのように倒して足を乗せられる椅子を買った。
これで床に足の踏み場がなくとも書斎で眠ることができる。
画像掲載できないことが残念なくらい、このうえなく幸せそうにしている。
「痴漢冤罪が怖いから女は裁判する覚悟があるときだけ痴漢被害を訴えろっていう人、どう思う?」
「満員電車に乗るな」
「通勤があるでしょ」
「時間ずらして早朝に乗れ」
「帰宅時間は混むじゃない」
「残業しろ」
「終電も混むんじゃない?」
「俺がいってるのは、そういうことをいうアホな奴はひたすら働いけってことだ」
「くすぐりコンテストの闇を暴くノンフィクション映画があってね」
「くすぶりコンテスト?」
「違う、くすぐり」
「おお、そうか。くすぶり度なんてどうやって測るのかと思った。
ポルコロッソみたいに…違った、ポルコロッソは飛ぶ豚だ。
ポールポッツ。あいつみたいに才能活かせなくてくすぶってるやつのコンテストかと思った。
ポルコロッソもくすぶってたな、ハハ!」
おもしろそうなコンテストじゃねえか。
風呂場にて。
「垢だらけだよ」
「共産党か…」
政治の話じゃない。
オークションで稼いだ小遣いであれこれ出してくれる。
「せっかく稼いだのに使っちゃっていいの?」
「使うために稼いだんだよ?」
「貯めてたら大きなもの帰るじゃん」
「…ハ!」
心底馬鹿にした笑いだった。
すべてを、投げうって、落札出品配送に勤しんでいる。
落札出品梱包配送(出先でスマホ確認)
落札出品梱包配送(出先でスマホ確認)
落札出品梱包配送(出先でスマホ確認)
天井から蜘蛛の糸が下がっているのを見つけた。
「あの先にお釈迦様が…」
「ここは地獄だったのか」
「この度はすばらしい本当に対応をありがとうございました。
息子にも将来はもちおさんのような人になるようにと教えました」
落札者が感謝感激するようなサービス展開をしている模様。
床と机と棚の上が埋まったので椅子と床と廊下になんでもかんでも置き始めた。
16年夏 何でもかんでも床に置いて作業するので足の踏み場もない
16年秋 義父の協力を仰いで天井まで棚をつけ、机を増設した
16年冬 床と机と棚の上になんでもかんでも置いて作業するので足の踏み場もない
17年春 高まり続ける室内の密度
16年末「かさばるから二度とPCケースや筐体は仕入れない、今後はビデオカード一本に絞る」と宣言。
17年春「ゲーミングPCめっちゃ売れる」と筐体、キーボード、ディスプレイをセットで売り始めた。
オークションの梱包から発送までがめっちゃ早い。
「早く送れば相手はうれしいしその分評価も上がる。それで手間は同じなんだから早く送らない理由がない」
この人は仕事できる人なんじゃないかとあらためて思った。
「家に帰れば積水ハウス」
という看板に向かって
「積水ハウスゴーホーム!積水ハウスゴーホーム!」
と連呼していた。
「『言葉にはエネルギーがあります』…何カロリー?」
糖質制限をしている。
「トムとジェリー、どっちがすき?」
「そりゃジェリーよ。人を馬鹿にした笑いとか」
「ジェリーはトムにひどいからわたしはトム」
「ジェリーは、捕まったら死ぬ」
「そうだけど」
「ジェリーっていうのはネズミの種類なんよ」
「え」
「同じに見えるけど、ああやって何匹も何匹も逃げようと必死にもがいてきたんよ。
上手く逃げたやつの姿だけが表に出てるんよ」
「そうなんだ」
「『今度のジェリーは上手く逃げてるな、こいつは長持ちする』
ジェリーの背後にはたくさんの弟、妹、親兄弟や家族がいる。
そいつらがつかまらないように、ジェリーは最前線で囮になって逃げ回ってるんよ」
そんなシリアスでいやな話だったのか。
再発した。
骨壺をどうやって納めるのか確認するため墓石動画を梯子していた。
その後滑り止めのついた手袋を持って、ある晴れた日にひとりで墓所へ出かけていった。
ここから先は書いていいのかどうかわかりません。
はてこ父からはてこ実家の墓からこっそり骨壺をぬき、内々に散骨してほしいといわれた。
「パパ、そんなこといったの!?」
「いった」
「確かにあの墓所は対応がムカつくけど、おじいちゃまたちの骨をその辺に撒けってそりゃないよ」
「うん。だから『俺は、お義父さんが死んだら会いにいける場所がほしいですよ』っていった」
「え」
「そしたら『そうか…じゃあ納骨堂をこっちで用意するから』っていってた。ちょっとうれしそうだった」
実子にはできないことをやってのけるアメイジングハズバンドなもちお。