THE MYSTERY OF THE BLUE TRAIN by Agatha Christie
セント・メアリー・ミードから始まるポワロもの。すごく若いミス・マープルと引退したポワロが共演しているような物語だった。
ラストのレノックスとの会話がいい。昔、ジーアとも、こんな会話をしたのかもしれない。
お話しするにはログインしてください。
本読了のことを語る
本読了のことを語る
『愛その他の悪霊について』 G・ガルシア=マルケス(著) 旦敬介(訳) 新潮社
この本も世が世なら、禁書の棚に封じ込められてしまうのだろう。
愛は人を救わない。正確には、愛「だけ」では救われることも救うこともできない。
無垢なる知識人は、自分の根底を揺り動かすものに出会ったとき、相手に名づける。「悪霊」あるいは「奇跡」と。それ(その判断の基礎)があなたの中にある、あったものだとはけして気づかない。気づきたくもない。
無垢であり続けようとすること・させることは、他人に泥を塗ることだ。
愛することを悪霊のしわざにするか否かは、他人ではなく自分にかかっている。
本読了のことを語る
POIROT'S EARLY CASES
テレビシリーズで見た覚えのあるものがほとんどだったので、相違点など確認しつつ、案外早く読み終えた。
Wasps Nestとかかっこよくて痺れる。
ポワロやミス・マープルの正義は「たとえ同情すべき点はあっても冤罪は出さない、許さない」なんだと思う。つかまるのが真犯人でないかぎり、誰も救われない。加害者も被害者もその周辺の人々も。そういうところに惹かれる。
本読了のことを語る
『七十五羽の烏』 都筑道夫(著) 光文社文庫
超久しぶりの都筑道夫。ものぐさ探偵コンビ。物部氏だけでなく片岡氏もけっこうものぐさと思うよ。だってこの提案は(笑)
あーまた『退職刑事』シリーズ読みたくなった。
本読了のことを語る
『差別と日本人』 野中広務・辛淑玉(著) 角川書店
まーいろんなノイズがあるかもだけど、とりあえず一度は目を通す価値あり。
野中氏は、もしフィンケルシュタインが政治家になったら、みたいな感じだ。
あと、辛氏にはぜひ、本書内に出てきた石原差別言動集をなんらかの形で出版していただきたい(おまけで麻生のも)。
本読了のことを語る
『地下室の手記』ドストエフスキー(著) 江川卓(訳) 新潮文庫
なんでだろう、後半に入ってから、『ライ麦畑でつかまえて』を思い出したのだった。わたしには、同じような人間に見えたのかもしれない、彼と。
本読了のことを語る
『精神医学とナチズム 裁かれるユング、ハイデガー』 小俣和一郎 講談社現代親書
抜けてた部分を補足してくれる内容。
『ナチスドイツと障害者「安楽死」計画』は、障害者(著者自身が障害者)から見た歴史だったが、こちらは精神科医が著者。ナチズム期のユダヤ人分析医大量追放により、ドイツ精神医学は治療という観点が一時的とはいえ失われた。日本精神医学がドイツ精神医学に大きく影響され続けてきたことを考えるとため息。
同著者の『ナチスもう一つの大罪 「安楽死」とドイツ精神医学』も近々読みたい(なんか同居人がすでに読んでそうな気もする)。
本読了のことを語る
SWALLOWS AND AMAZONS by ARTHUR RANSOME
英米児童文学の定番みたいなもので「心の積ん読」になってる本はなるたけ原書チャレンジ(んなことしてるからよけい積ん読になってる)、の一冊。
ナルニアをもっともっと現実よりの冒険にふったような感じ。
こんな夏休み、一回でも経験できたら一生の幸せ。こどもの時に読んだらそれこそ夢中になったろうと思う。大人になってから読むと、(彼ら呼ぶところの)native視線がどうしても混ざってきてしまう(彼らとわくわくする一方で、彼らを大人として心配してしまう)のでもったいないくらい。どうしたらCaptain Flintのようであれるのか。最後の方は読んでて「あーもう終わっちゃうのかー……」って気分になった。
男子女子それぞれみんな区別なくただの船乗りとして行動・活躍してて、こういうのにありがちなお姫様役の子とかも出てこなくってその意味でも気分爽快。
本読了のことを語る
『容疑者Xの献身』 東野圭吾(著) 文藝春秋
映画がラストの石神の回想に集約される内容になっているだけに、原作にはもやもやする部分が。確かに、冷酷なのだけれど。
連載中のタイトル『容疑者X』をこのタイトルに変えたことには、大きな意味があるような気がする。
自分が映画で感じたこと、読みが違ってない、とは思いたいのだけど。
本読了のことを語る
『オルガニスト』 山之口洋 新潮文庫
音楽にまつわる青春記ミステリーふう、と思って読んでたら、最後、怖ろしいことに……! 冒頭をちょっとだけ読んでからなにげなく解説をぱらぱらめくった時に、「なんで解説、瀬名秀明?」と思ったんだが、読み終わったら納得した。
憑かれた人は歯止めを失うと、壊れてしまう。壊れてる自覚もなく。
憑かれた人の物語。憑かれたかった人の物語。
さて、何を考えてあの人は、この本をわざわざ目の前で買い求めてまでわたしにくれたのだろう。
本読了のことを語る
『箱船の航海日誌』 ウォーカー(著) 安達まみ(訳) 光文社古典新訳文庫
イギリスではロングセラーの児童書だそうで、この本もかわいらしいイラストがふんだん。
擬人化された動物たちもノアの家族も皆それぞれが同等にある、平和でのんきなノアの箱船の中で、何が起きていたのか・起こったのか、どうしてその生活が失われたかを、ユーモラスだけど妙にリアルにとらまえた話。“スカブ”にゴクリをほうふつとさせられた。
この著者、本来は性科学を専門とする医者で、一般向けの性科学解説書を多数出版、後年はグルジエフに傾倒、児童書はこれ一冊だそうである。そういった変わった著者の経歴を元にこの本をどう読み込むか、というのを見せてくれた解説もとてもおもしろかった。ここがあるから文庫なのだね。
本読了のことを語る
『マラフレナ』 アーシュラ・K・ル=グイン(著) 友枝康子(訳) サンリオSF文庫
読みながらずっと『ふるさと』の歌がぐるぐると頭を回ってた。これは故郷探しの物語だ。生まれ育った場所という意味の故郷ではなく、いつでも出発できまた帰還できる場所、としての。
だからエステンスカールが哀しかった。
読後、『罪と罰』も頭に浮かんだ。あれも同じ意味で故郷探しだったのかもしれない。
本読了のことを語る
Hercule Poiro's Christmas by Agatha Christie
もっとも殺人事件にふさわしくない、しかしありがちな時期としてのクリスマス。再会と邂逅の季節に起こった、血縁をめぐる殺人事件。
ラストの方、まるで横溝正史でも読んでるような展開でありました。
ぎりぎりNew Yearになる前に読み終わってよかった(^^;)
本読了のことを語る
読み応えありました。『杉の柩』も好きです。
最後にああいうふうに終わっていくと思ってなかったんで、なんというか、圧巻でした。
giftedの幸福と不幸というものを考えさせられました(『ガラスの仮面』のイサドラ・ダンカンのエピソードも思い出した(笑))。
本読了のことを語る
THE HOLLOW by Agatha Christie
「真相」以降が胸につきささるような展開だった。反則だっていいたくなるくらい、あるキャラのイメージが反転した。
最後の一行自体も、そこへの収束力もすごかった。A Pocket Full of Ryeだったか、あれのラストのミス・マープルをちょっと思い出したり。
同志のような組み合わせもあれば、補い合うような組み合わせもある。その両方を同時に保ちあえる相手が見つけられるほどラッキーな人間は、ほとんどいないんだな。
トミー&タペンスの人気ってそういうとこかもなあ。
本読了のことを語る
『アポロンの眼(バベルの図書館1)』 G・K・チェスタトン(著) 富士川義之(訳) 国書刊行会
最初の短編をのぞくと、残りはブラウン神父とフランボウがセットの短編集、のような感。
本読了のことを語る
『白魔』 マッケン(著) 南條竹則(訳) 光文社古典新訳文庫
うーんこれって怪奇短編なのだろうか。まあシャーリィ・ジャクソンをホラーというなら確かにこれもホラーなのだろうけれど。
基本的には、この短編集は魔女がひとつのテーマになってるかな。
しかし一方で一緒に収録されてる『生活のかけら』は、もう一つの世界とこの世界の混ざり合った散歩というか冒険というか放浪の描写にうっとりさせられた。怖さなどみじんもなく、わたしもあのあわいの世界に漂うように歩きたくなった。
もしかしたら魔女は、そのあわいの世界の象徴なのかもしれない。著者にとって。
本読了のことを語る
『突破論。』 KKベストセラーズ
job aidemの連載記事をまとめたものというだけあって、「サッカーという仕事」に対するプロとしての言葉が多かった。好きなことを仕事にすることの難しさや、プロになった直後の感覚、なんかが直截に語られてた。
フリューゲルスに関して語る選手も少なからぬ人数いました。
これもいずれ買いますです。
本読了のことを語る
『もの食う人びと』 辺見庸(著) 共同通信社
ものしらずの自分にとってはいろいろショックが大きかった一冊。特にこの本で扱われていた時代は、自分はまったく世界に目を向けていなかった頃だったので。
ユーゴスラビア関連の部分読んだ前後でグランパスが優勝して、なんか感慨にふけってしまった。
本読了のことを語る
『ピーナツバター作戦』 ロバート・F・ヤング(著) 桐山芳男(訳) 青心社
自分のもの知らずを反省・赤面することになった短編集。キリスト教モチーフの短編が多め。
『ジョナサンと宇宙クジラ』読んだときとじゃっかんイメージ変わりました。
/本