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『図説 英国メイドの日常』 村上 リコ (著) 河出書房新社
ウッドハウスやクリスティを読んでたらイギリスの階級制度にいまさら興味がわいてきたので、とりあえず目についたものから(といっても同居人が図書館で見つけてくれたんだけど)。
これ読み終わった直後に、“Miss Marple's Final Cases”を読んでたら、Tape-Measure Murderが、まさにこの本で知った単語や社会制度満載の話でびっくりした。
シリーズでいろいろ出てるみたいなんで、ほかのも見つけたら読んでみよう。

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The Body in the Library by Agatha Christie
なんかいかにもミス・マープルものって感じだった。
クリスティは、面倒見はいいけど身勝手で横暴な家長とその家族(親族)の物語をよく書くけれど、これのラストはそれがいい具合に瓦解し、新しい関係を築いていける話になっていた。ちょっと珍しいかもしれない。
たいてい家長が殺されるところから始まるもんな(^^;)
若さゆえに少し愚かな少女たちに対する態度と思いが、とてもマープルらしい。

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『寄宿生テルレスの混乱』 ムージル(著) 丘沢静也(訳) 光文社古典新訳文庫
ジルベールがいない『風と木の詩』みたいな。のりすはーぜ色の濃い竹宮惠子の一連のヨーロッパ舞台の思春期少年ものみたいな感じ。
これ書き終わったときムージルは25歳だったそうだけど、読んでるとクリアに中学とか高校時代の自分を思い出す。いたたまれないほどに。25くらいのときにはもうわたしにはここまでクリアに思い出すことができなかった、と思う。

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『ホフマンと乱歩 人形と光学器械のエロス』 平野嘉彦(著) みすず書房
この本で取り上げてる『砂男』(及びフロイト『不気味なもの』)『押し絵と旅する男』読んでるし、これ読む以前から乱歩とホフマンには似たものを感じてるんだけど、なんか違う分析を読むべきだったかなー。
すごくチセイのない身もフタもないこと書くと、なんでそこまで男性器が世界の中心になっちゃうのだろうかと謎。マジで。

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『がんばれ、ジーヴス』 P・G・ウッドハウス(著) 森村たまいき(訳) 国書刊行会
初めて読んだウッドハウス『ウースター家の掟』の数ヶ月後の話。
まさかまさか毎度お騒がせカップル、マデラインーガッフィー枢軸がこんなふうに解決されようとは。これでほんとに決着がついたのか?しかしジーヴスほど口八丁手八丁でマスターの評価を地に落としつつも感謝される人間もそうはいまい。
あと短編が三つ。……学校のお楽しみ会とか村の運動会とか、見てみたいけど、無事な姿で家まで帰りつけるのだろうかと毎度躊躇させられるわー。
とりあえず『バジル氏の優雅な生活』読み返したくなったんで、近いうちに読もうっと。

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『リジー・ボーデン事件』 ベロック・ローンズ(著) 仁賀克雄(訳) ハヤカワ・ミステリ
なぜ彼女が殺人を行ったのか、の一つの解決の提示として書かれた推理「小説」だが、わたしはむしろ、なぜそこまで彼女が犯人であることが定説になってしまったのか、の方が気になってしまった。状況証拠しかなくて裁判で無罪が言い渡されたにも関わらず、である。「疑わしきは罰せず」の原則が生きた裁判だったのだろう。ならば、著者は彼女を直接名指しした「ファクション」ではなく違う形、せめて別名を与えることはできなかったのだろうか。
途中で、シャーリー・ジャクソン『…[全文を見る]

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『洋梨形の男』 ジョージ・R・R・マーティン(著) 中村融(編訳) 奇想コレクション 河出書房
基本ホラー風味の、ファンタジーだったりユーモアだったりSFだったりする短編集。同著者の本は数冊読んでるんだけども、ともかく筆力がすごい。においまで感じられそうで、特に表題作は、途中からずっと総毛立ちながら読んでいた。そうかと思ったら、ジョナサン・キャロルの『我らが影の声』みたいな恐ろしさの話もあるし。
ラストの『成立しないヴァリエーション』、わたしは大好きで同居人は大嫌いという正反対の反応を引き出したある映画を思い出した。同居人があの映画をなぜ嫌いなのかわかった気がした。

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『お呼びだ、ジーヴス』P・G・ウッドハウス(著)森村たまき(訳)国書刊行会
これの前に読んだクリスティにも「貴族と執事」のスケッチみたいなのが満載だったんで、読んでて最初、既視感が(笑) それでなくともある意味ではマンネリのおもしろさみたいなのが醍醐味だし。
しかし今回はバーティー出てこないのと、舞台の小説化ということで、じゃっかん雰囲気違ったです。日本で言うと、吉本新喜劇みたいなのを小説様に文章で書き起こしたような、というんだろうか。
最後の短編のせいで、よけいジーヴスのバーティーに対するSっぷりが光っとったわ。なにこのビルへの扱いの違い(笑)
『ブリング・オン・ザ・ガールズ』の抜粋もおかしかったんで、年内ジーヴスもの全訳終了の次は、そっちの訳もぜひぜひお願いしたいです。

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The Secret of Chimneys by Agatha Christie
彼が彼女を口説くところで彼が誰かはわかったのだけど、焦点になってる誰が彼かはわかんなかったー。ちらと思いはしたけど、でもあの人のおすみつきならだいじょうぶかと思うじゃねえか、というくらい渋いスコットランド・ヤード。
しかしクリスティは時折とんでもなくスーパーマンを書いてしまうことがあるわいね。これ、Big Fourのポワロ並みかも。

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『黄金の壷/マドモワゼル・ド・スキュデリ』 ホフマン(著) 大島かおり(訳) 光文社古典新訳文庫
訳者解説にある
>「頭がくらくらする」ほど美しくて、おかしくて、グロテスク
というの、『砂男』や『くるみわり人形とねずみの王様』を読んだ時に感じたそのままズバリ。あのときわたしは「乱歩みたい」と思ったのだけど。
今回の『黄金の壷』は高階良子のファンタジーものを思い出した。『マドモワゼル・ド・スキュデリ』は、ルイ14世王宮に伺候する73歳の老嬢作家による推理もので、一気に読んでしまった。残り2編の『ドン・ファン』と『クライスレリアーナ』については、音楽専門に学んでらっしゃる方の意見をうかがいたいところ。オペラに興味がないのだが、『ドン・ジュアン』を見てみたくなった。
総じてみると、やっぱりなんかわたしには、この人乱歩を感じさせられてしまう。

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“Rosa Parks: My Story” by Rosa Parks with Jim Haskins (Puffin Books)
アメリカの公民権運動を拡大化させたバスボイコット、そのきっかけとなった女性運動家の自伝。
キング牧師やマルコムXなどへの言及もあり、おもしろかったし、公民権運動の大きな流れがつかめてよかったんだけど、同時に、
非暴力での運動を貫こうとするとき、シンボルとなる被害者の弱々しさ(女性であること)、「それ(この場合黒人であること)」以外では一点の傷もないクリーンさの求められ方、というのが、加害者側だけでなくサポートする側からも強く求められるという現実に、なんかたまらん…[全文を見る]

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『江戸役者異聞』 山本昌代(著) 河出文庫
十年単位の積み本消化。
鏡の中の己の姿にしか興味を持てぬ三代沢村田之助が、人気の絶頂で脱疽に犯され四肢を失い、一人に戻るまで。
……これ、よしながふみが好きな人は絶対好きだと思う。読み終わってから頭の中で反芻してたら、よしながふみの絵とコマ割りで浮かんできた。

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『始まりの場所』 アーシュラ・K・ル・グィン(著) 小尾芙佐(訳) 早川書房
わたしにしては一気読みに近いスピードで読んでしまった。以前はほんとル・グィン苦手だったのだが。
途中で、「あ、これはピーター・ジャクスンの『ブレインデッド』だ」と思った。
始まりの場所は、いつかは出て行かねばならない場所なんだ。

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『残酷な童話』 チャールズ・ボウモント(著)
いろんな種類の短編が載ってるんだけど、わたしはちょっとブラック・ジョーク気味のが好きだった。

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『マンディアルグ短篇集 黒い美術館』 生田耕作(訳) 白水社
図書館で背表紙と目があってなんの予備知識もなく借りたらば、なかなかのフランス的エログロ小説であった。
短篇五つの内、ラスト三つが本来の短篇集『黒い美術館』に収録されていたもので、前二つは日本で独自に訳者が選んだものらしい。……すみません、ラスト三つがいっそうエログロでおもしろかったです。江戸川乱歩と『家畜人ヤプー』の間くらいのレベルかしらー。

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『とうに夜半を過ぎて』 レイ・ブラッドベリ(著) 小笠原豊樹(訳) 河出文庫
すごく好きな話と胸くそ悪くなる話と、両方が入ってた短編集。非ヘテロに関する話もあり。
ラストの短編、あれが締めで、すごくおだやかな気持ちになった。
ブラッドベリは若々しいな。

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MURDER ON THE LINKS by AGATHA CHRISTIE
『ゴルフ場殺人事件』、これの映像化作品はスーシェ版と、翻案ものの『赤富士鷹 わが愛しのサンドリヨン』(副題がちょっと記憶あやふや、伊東四朗と塚本高史がコンビのやつ)の二つを見たのだけど、
後者の方が原作に沿ってよくできてた気がする。
ヘイスティングスは、いいやつだねえ。そんで、ポワロさんはほんとに仲人好きね。探偵の次に天職なんでは。

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『砂の本』 ボルヘス(著) 篠田一士(訳)
 集英社文庫
そんな能力は自分にはないとわかっていながら、何かを書きたい気持ちにさせられた。しかし絶対に、彼のような的確な表現も選択も誰にもできやしないだろう(どこの国でもフランスかぶれは「おフランス」扱いされるんだなとその一行の描写だけで理解させられ思わずにやりとしてしまうような)。
また、昔読んだ『マインズ・アイ』やチェスタトンを思い出したりも。
無限=1、みたいなテーマが好きだ。

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『アシェンデン』 サマセット・モーム(著) 河野一郎(訳) ちくま文庫
非凡な作家の、スパイとしての平凡な日常とは。しかし英国のスパイ任用の基準みたいなものはおもしろいなあ。
モームは一面的な人間を描かないね。すごいステロタイプに描き始め、そこから少しずつ個人を削り出してくる。あらすじだけ言えばステロタイプなよくある話になってしまうけれど、読むとと登場人物それぞれを確固とした個人として感じる。
一部を映画化したヒッチコック『間諜最後の日』も見たい。

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『エレンディラ』G・ガルシア=マルケス(著) 鼓直・木村榮一(訳) ちくま文庫
大人のための残酷な童話、6つの短編と1つの中編。
アニメ『カフカ 田舎医者』みたいな形で見たり聞いたりしたくなった。デフォルメされた線画と語りで。