- ---『夢のように、おりてくるもの』 第三部 「夢も見ない」3------
彼女の七つの夢見式から識(し)ってました。私の初仕事でしたから。祖父が私の披露目に用意したのがそれでした。けれど彼女の一族は納得しなかった。生きているうちに伝説と化した夢使いにあがないをさせたがった。私の家と彼女のそれは浅からぬ因縁がありましてね。いっときはあのお屋敷に住まわせられたこともあったそうだ。まあいってみれば郎党です。離反したのは御一新(ごいっしん)の時で、社の件で揉めたのです。お縄になった者がいるだけでなく、ひと独り死んでるそうです。まあ昔の…[全文を見る]
/花うさぎ