「主命でござる」縄田一男編
「錯乱」池波正太郎こそ、わかっていながらドキドキハラハラして読めましたが、「佐渡流人行」松本清張で、なんということ…と呆然として、「小川の辺」藤沢周平で一息ついて、「兵庫頭の叛乱」で、ひゃー…と脱力し、「拝領妻始末」では、酷いよ酷いよ!と無念堪えがたく、「笊ノ目万兵衛門外へ」山田風太郎にクールに突き放されて終わって、もう!
あの白絹で鈴を包んで黒髪と一緒に柳の下に埋めたい
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「渇き」イワン・シマトゥパン(インドネシア)
・あら?ガンホさんの映画の原作?と思ったら違いました
・移動しているようでいて、堂々巡り、内面から一歩も足を踏み出さず、時に訪れるクライシスも、おかしなマチズモで乗り切り、最後は…
・哲学スラップスティックなのかというと、どう読んでも言い訳だったり、自伝的とは書いていないけれど、私小説だよなぁ…と思ったり
・映像化したら、マジックリアリズムになるのかもしれない…とも思ったり
・でも、皮肉でもないし…不思議だ
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中島敦「李陵/山月記」
・万城目学さんの「悟浄出立」の元だと聞いて読みました
万城目学さんだけでなく、森見登美彦さんにも溢れていました
「山月記」だもんねぇ
・「光と風と夢」は中編にも関わらず挫折しましたが、他は面白かったです
あぁ、この人は永遠のロマンチストにして文学青年なのだな、と思いました
・この方が長く生きていらしたら、どんな作品を描かれたのかなぁと思います
万城目さんの「悟浄出立」は「悟浄出世」「悟浄歎異」への回答のように見えるので、万城目さんは文学青年の先へ行こうとされているのかなぁ
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『悟浄出立』万城目学
・中国の古典や歴史上の有名人の隣にいた、脇役、或いは脇役でもない人々の話ですが、淡々とした言葉でクリアに心情が描かれているので、その心の動きも、その時代も今のことのように感じられます
・「悟浄出立」の揺れる自我、「趙雲西航」の晩年を迎える一人の男の悔悟と孤独、「虞姫寂静」の花であった女性の燃えるような愛と恋情、「法家孤憤」の孤独な巨人と無名の剣を持たない兵士たちの理想(それが潰えることを知っていて読むという歴史ものの醍醐味がねぇ!)、「父司馬遷」継承という重さと、その繋がりの綾
・中編小説で、こんなふうにぐぅっと涙があふれそうになったのは子母沢寛さんと司馬遼太郎さんだったなぁ
・中島敦の「悟浄歎異」というものがベースにあるらしい。それも読みたいなぁ。
・まきめ三国志、まきめ西遊記、まきめ封神演義、熱烈希望!
・一番気に入ったのは「法家孤憤」、次が「父司馬遷」かなぁ
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「喧嘩両成敗の誕生」清水克行
・書き方が親切でとてもわかりやすく、内容も面白かった。
・喧嘩両成敗という言葉からイメージされるものが、実際の法律の性質とは、その成立過程も目的も異なっている。
・今、私たちがこの言葉や方法論に抱く感情が、この法律成立以前の人心、風土の混沌を土壌として広く共有されていたものと同じだということが、ちょっと怖い。その辺りで空気の研究を思い出した。
・室町時代の人々がすぐに戦う荒ぶる人々だったとしても、この時代以降の大人しい日本人と基盤は同じ、集団性にあるような気がしました。
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「なつかしく謎めいて」
アーシュラ・K・ル=グウィン
・そんなんありかwっていう次元旅行方法の発見から始まる、奇想天外次元旅行記…というかんじで軽妙に始まるのですが
・どんどん話に引き込まれては現実に、ポイッと戻され、頭も心も揺れに揺れて(次元旅行酔いでしょうか)
・神話のような童話のような法螺話のような中に、ふと立ち現れる現実社会の毒や闇、罪がじわっとシミのように心に広がり
・読み始めて数日で悪夢を見始めます。要注意。
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「平ら山を越えて」テリー・ビッスン
・表題作「平ら山を越えて」の壮大でとんでもない世界を描きながらもノスタルジックで優しく若々しいお話から、最後の「謹啓」まで、似ているのに違っていて。一つ、また一つと語り聞かせてくれるおじいさんの姿が見えるようです。
・「謹啓」は映画になるといいなぁ。
・あとがきにあったけれど、お話の内容が徐々に変化して、すこしずつ「こういう人だ」と思っていたおじいさんの姿が変わっていくようで、後半は読むのに時間がかかりました。
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「だれも猫には気づかない」アン マキャフリー
・ウィットに富んだかわいらしいおとぎ話。
・猫、かわいい。
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了解です!
「忍者だもの」は、つぼいマックスさんが読んでいらしたので、図書館に予約しておいたのです。
「グハァ…」が気になります。
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「忍者だもの 忍法小説五番勝負」
池波正太郎/柴田錬三郎/織田作之助/平岩弓枝/山田風太郎の短編五編
どの方の作品も読んだことがないけれど(知らないうちに1〜2冊は読んでいるんだけど、たぶん)、「ああ、こういうかんじ。そうだ、そうだ。」って面白かったです。
織田作之助さんの「猿飛佐助」に「森見登美彦のルーツはこれかー。」と思ったり。
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「時は乱れて」 フィリップ・K. ディック
・面白かった。
・今から見れば結構なんとなーくで説明が終わっているところもあるけど、ノスタルジックな雰囲気に、まぁいいやぁ〜と。
・脇役たちがどうして自らすすんで?というところが、それまでの人物描写でなんとなくわかるような気がして、あったであろう葛藤や人となりに好感を抱きました。
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「猫と庄造と二人のおんな」谷崎潤一郎
・解説を読んで、そういう話だったのかぁ…と。
・ただリリーちゃんの姿と仕草にうっとり、切なく。幸せを祈っておりました。
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「異邦の騎士」島田荘司
・ラゾーナで推していたのは、そういうわけね。
・目まぐるしく変化するのではなくて各パートが長く安定して語られる。ので、ちょっとダレたりしたけれど、後書きを読んで納得。
・御手洗潔さんが、なんていうか、他のより感じがいい。
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「夜よ鼠たちのために」連城三紀彦
・「恋文」しか読んだことがなかったのでミステリーを書いていらっしゃるとは知りませんでした。
・確かにミステリーなのだと思うのですが、「どう?わかる?」とか「ほら、これがトリック」とかいう感じが全然なくて、美しく謎めいた絵を観ているみたいな印象。
・タイトルから長編ハードボイルドをイメージしていたので、次は長編を読んでみたいです。
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「FOK46」大槻ケンヂ
・あのライブのことが書いてあって、かなりショック。お兄さんは疎遠とは感じていなかったんじゃないかと思う。頷くカメラがそう言っていると思う。ほんとに弟だよなぁ…。
・小説未満のファンタジー部分は大槻さんらしいなぁと感じた。
・話をする相棒に、冬目景の鋼の迅鉄?タイトル忘れちゃったけど、それを思い出した。
・中年期のくだりは感想を書くと長くなっちゃうので割愛。
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「霊能動物館」加門七海
やっぱりちょっと怖かった。語られる由来の生々しさだったり、立ち現れる光景の手触りだったり。どこかしら心の奥に触れるものがあるんだろうなぁ。
いくつか訪ねたい寺社も見つかりました。
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「五色の雲」ロバート・ファン・ヒューリック
・短編集だった。
・短編だと、判事のうっかりぶりも際立って面白い。
・解説を読んだら、いろいろなものが下敷きにあると知って、感銘を受けるとともに反省。
・戦時下の砦の描写が暗くて冷たくて。
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「白夫人の幻」ロバート・ファン・ヒューリック
・「真珠の首飾り」の舞台は通りすがりの離宮のある街でしたが、こちらは自分が知事を務める土地。ということで街の描写に親しみが感じられます。端午の節句のお祭りの様子にわくわくしました。
・洪警部と判事の容疑者への人物観の違いや、真珠の件への判断などに判事の“らしさ”があり、興味深く感じました。
・ちょっぴり怪奇譚なところも、判事自身のあれこれも面白かったです。ラストもよかった。
・出来たら、毎回、この時判事が何歳か書いてくれると有り難いなぁ。服装や容貌の描写ではわからないんだもん。みんなひげ面で。
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「真珠の首飾り」ロバート・ファン・ヒューリック
・唐代中国の架空都市で起こる殺人事件
・魅力的な都市、城塞、謎の老人、麗しの姫君、大親分に殺し屋
・章毎のサブタイトル(なんだか講談みたいな)のも、著者自らの手による挿絵も雰囲気があってよかったです
・そりゃ、映画にしたくなるよねぇ。
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「獅子頭」楊逸(逸には“、”が付くみたい)
・母国語ではないからなのか、文章が軽い感じがしました。平たいというか。最初は「これ、大丈夫か?」と思いながら読んでいたのですが、話が転がり始めてからは先が気になって、すいすい進みました。
・ごく簡単な描写で、東北部、南方、内モンゴルの空気の違いが感じられるのは、すごいなぁ。
・東北部から出てきた若者を扱う映画で感じていた腑に落ちない部分が少し納得がいったように思います。けれども、やはり疑問も残り。
・獅子頭、食べたいです。
/読了