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isbn:4796700439 Ads by Amazon.co.jp 』
ある個人に対して、その外見・振る舞いなどから、他者がステロタイプ・偏見等の社会の価値体系を土台にして予期・期待・要求した属性と、実際にその個人が持っている属性の間に大きな乖離があり、その実際の属性が集団・社会の価値体系の中で「異常」とされその個人を卑小な存在として貶めるようなものであった場合、またその属性がその人の信頼/面目を失わせる働きが非常に後半にわたる場合
その個人は「スティグマを持つ」という。
スティグマのある者は、大きく二種に分かれる。第一に「すでに信頼/面目を失っている者(肉体的…[全文を見る]
isbn:0006162649 Ads by Amazon.co.jp
次の世代に望みをつなぎ彼らの不安を軽減するために、ポワロとミセス・オリバーが過去へと旅をする話。年をとるってこういうことかも。
ことにミセス・オリバーが彼女が昔めんどうを見てもらった、今は一人暮らしをしているばあやを訪れる章が、なんというか、胸に沁みた。わたしにとってのああいう存在にあたる人たちは、もう亡くなってしまってて、こういう時間をわたしはもう持てないんだなって気がついてしまった。
推理部分はすぐ分かってしまう話。でもあそこで感じた胸詰まる感じは忘れられないかも。
isbn:9784334926 Ads by Amazon.co.jp 366
うぬう、もったいない、よくばっていろいろつめこみすぎたよ、西澤さん!おかげでなんか薄味になっちゃった。
短編でも長編でもいいから、この設定で連作もので読みたかった……。まあこれ以上シリーズもの増やしても、とも思うけれども、でもこの設定はいろいろやれそうでおもしろすぎるので、シリーズにして、これが森奈津子シリーズの1冊目みたいな扱いに後々なることを希望しますです。
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isbn:4309017584 Ads by Amazon.co.jp 』
……一番まずい読者の一人としての自分を自覚させられるーっと。
笙野頼子の小説につきあうのめんどいけどどういう考え方でもの書いてる人か知りたいって人は、この本の最後に入ってる『八百木千本様へ笙野頼子より』の一読をおススメ。
この本とこれの前作というべき『説教師カニバットと百人の危ない美女』読んでいまさら気づいたのだけど、アンチ・エイジングって美人でいる方法としてのそれしかないのねえ。
ISBN:9780006162 Ads by Amazon.co.jp 810
生まれて初めて切実にブリッジのルールを知りたいと思わされた一冊。といってまだ調べてないけど。
ある人の死に様に、クリスティの残酷さとミソジニー的ななにかをまざまざと感じる。少女小説の延長的な部分があるのよねーというか。
isbn:9784336048 Ads by Amazon.co.jp 400
読み始めてごく最初の何作かで、征悟郎の『いちばん上のお兄さん』とか笙野頼子の『母の発達』とか読んだときの感覚を思い出してしまった。
「物語」にとどまらない、「日常を異化する」SF短編小説を書くことを目標に掲げた著者の短編集。わたしにとっては大当たり。他のも読みたい。
isbn:416323490x Ads by Amazon.co.jp
白井恵理子の四コマ三国志好きな人は必読。基本テイストはあれと同じ。著者による地の文でのツッコミっぷりがはんぱではない。
一方で、途中から永井豪がこれを原作にしてマンガ化したらという妄想がわき出て困った。特に劉備一家と徐庶の母ちゃん。あばしり一家のノリで。
あと英訳版三国志Romance of three kingdomsのくだりがあまりにもおかしいんで思わず読みたくなった。
文化の違いで違う世界が表れるってほんとおもしろいことだわー。
isbn:9784653040 Ads by Amazon.co.jp 132
示唆に富む内容だった。特に第三章。
・表現にはどれだけ配慮を行おうと必ず誤読がつきまとうこと
・誤読が生まれそれによって傷つく人が生じたときの調整の可能性
・いわゆる「言葉狩り」を行うのは抗議に対して目先の言い換えで安直に言葉を収めようとするメディア企業であることが往々にして忘れ去られ抗議者に対する反感とシンボライズされた「言葉」のみが残ってしまう不毛さ、それを回避するには
・作者の意図を離れて差別表現が再生産されるメカニズムの一例としての「おとこ道」や筒井康隆の断筆宣言
・被差別者のみが当事者か、その痛みを分有することはできないか、そのために「差別の現状を表現すること」はどうあるべきか
など。
オススメ。
isbn:0006170005 Ads by Amazon.co.jp
ミス・レモンの姉が住み込みで管理人として働いている下宿屋で続くささいな盗みやいたずら。度重なり、ミス・レモンの仕事にまで影響を及ぼし始めたので、ポワロは相談に乗ることにしたのだが……
留学生が多い学生中心の下宿屋が舞台で、登場人物多いのにそれぞれキャラが立ってて読みやすかったしおもしろかった。会話も楽しい。
でもやっぱ最後には家族の問題が出てくるのがクリスティかも。
isbn:4895000923 Ads by Amazon.co.jp
全体は序章+四章。加害者のセルフ・ナラティブ(煽情的・漏情的な描写はないが、往々にして加害者本人が過去に受けた虐待についても語られる場面が多いのでちょっとフラッシュバック注意かも)とそれぞれに対する個別の分析のある第三章をのぞき、各章それぞれにきちんと結論が最後にかかげられており読みやすい。
特にこの手法をとるにあたって前提として「語ること」について述べられた第二章「真実」と、結論部の第四章「理解」は圧巻。
原題『Not Monsters』が著者の態度をよく現している。
ISBN:0006162630 Ads by Amazon.co.jp
トリックもちゃんと成立しててれっきとした推理小説なんだけど、ロマンス小説の気配も濃厚。
しかしダメor/and悪い男とできる女、という組み合わせは時・場所問わずなのねえ、とクリスティ読むとつくづく思う……Ruth、Sandra、Rosemaryそれぞれの女たちの描かれ方がおもしろかった。
isbn:4309012582 Ads by Amazon.co.jp
「婚活」などという妙な略語が流行ってる(どこで?)ことになってる今の今、これを読むのも時宜を得たと言うべきか。
笙野頼子描くところの100人のウィリー。ただしここにはジゼルはいません。そして彼女らがとりつく相手も、アルブレヒトではない。
ああそれと、途中で天皇ご一家お妃選びの変遷による影響ってのがいきなり出てきて、ああなるほどねと。
やはり、時宜を得たという事か。
isbn:4794927320 Ads by Amazon.co.jp
よくできたほら話を聞くのがお好きな方に、ベッドサイド本としておすすめ。
最後の『死こそわが同志』は黒手塚治虫って感じだった。
isbn:0006163718 Ads by Amazon.co.jp
満足できる三度の食事くらいしか趣味がなかったポワロが、事件を解決するにあたって趣味に苦難をしいられて、最後にもう一度満足できる食事にありつき、さらに仲人という新しい時間つぶしを見つける、という話(ちょっと違う)。
地方の小さな小さな村、しかもそのほとんどの住民が数年で入れ替わるようなコミュニティの閉鎖性(「いい人々」と見られることがいかに重要か、とか、公然過ぎる秘密って公然過ぎて語られない、とか)がよく出てる。
「名前トリック」もの。
asin:4150719012 Ads by Amazon.co.jp
たぶんネロ・ウルフっていうとこれが一番にでてくるんだろうけど、でも実際はちょっとパターンはずれかものウルフ外泊編。
いっつも減らず口たたきで小生意気なアーチーだけども、……ふふふふふ、とちょいにまにましてしまった。
isbn:9784760133 Ads by Amazon.co.jp 901
ある共同体の文化水準・教育水準を示す指標の一つとしての読み書き能力・識字能力・識字率(非識字率)について、江戸初期から命じにかけての変化を追ったもの。
特に町民と農民(庄屋~小農)、またそれぞれの階級に属する女性という、あまり記録が残っていない層について注目している。
三種の文字を使う日本で「文字が読める」とはどのようなレベルを言うのか、という問いかけや、身分に応じて「読み書き能力」を有意にわけることによって、農村内ですらエリート層と非エリート層という格差ができていること、
地理・地域・身分・経済発展との関係による識字率の差について、就学率と識字率の関係についてなど、なんとなくうっすらと感じ取ってたことをきちんと数値を上げ文字にしてくれた感があり。
読み書き能力とその教育は、格差をなくすことと格差を作ることの両方に関わる問題としてとらえることが重要。
isbn:0006161723 Ads by Amazon.co.jp
ポワロ50歳オーヴァー。『THE PALE HORSE』のキャラだけでなく、『CAT AMONG THE PIGEON』のキャラクターの知人も出てきた。
犯人はすぐにわかってしまったのだけど、最後の2ページに出てきた「実は…」話はちょっとずるい(=_=)。
教えてもらったこのトリオが出てくるやつも探して読もうっと。
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著者自らファンタジー短編集というほどで、確かにファンタジー。お目当てだった『機械が止まる』は初期ウェルズの楽天主義に対する反動として書いたとのことで、これはむしろ見事なSF。
いや意外な作家が意外なものを書いてらっしゃる。楽しく読めた。
isbn:4163246002 Ads by Amazon.co.jp
ロード・エムズワース・シリーズの全短編収録。傑作ぞろい笑う笑う。
こちらの選集は特別付録がとても豪華で貴重なので、イギリス文学に興味がある人はぜひそこだけでも目を通すことをおススメ。この巻ではウッドハウスが黄金期の英米ミステリ(とSF)に広く与えた影響について真田啓介のエッセイと、アントニイ・バークリーによるウッドハウス文体模倣でのホームズ・パロディが収録されてます。
Lord of the Flies by William Golding
E.M.フォスターによるイントロダクションつき。
大昔に映画では見てて、そっちとの違いとかでいろいろ考えたりしてちょっとおもしろかった。
会話文はだいじょうぶだけど、地の文が難しかったー!