『マリナー氏の冒険譚』P・G・ウッドハウス(
805)
マリナー印のバック-U-アッポと、ホット・スコッチ・アンド・レモン、それぞれ試してみたくなる……どっちの方がきくかしらん。
巻末付録の、インタビューに答える形で書かれたOver Seventyからの抜粋二作はミュージカルの歴史やブロードウェイとハリウッドの関係に興味ある人は資料としてもおすすめ。まあそんなの関係なくてもかなり笑った。これスケッチとしてぜひ映像化求む。
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『マリナー氏の冒険譚』P・G・ウッドハウス(
805)
マリナー印のバック-U-アッポと、ホット・スコッチ・アンド・レモン、それぞれ試してみたくなる……どっちの方がきくかしらん。
巻末付録の、インタビューに答える形で書かれたOver Seventyからの抜粋二作はミュージカルの歴史やブロードウェイとハリウッドの関係に興味ある人は資料としてもおすすめ。まあそんなの関係なくてもかなり笑った。これスケッチとしてぜひ映像化求む。
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一部、国書刊行会の短編集とダブるのがあった(逆に向こうにしか入ってないのもあった)けれど、楽しく読んでしまった。こういうのが友人関係にいると厄介だが、ここまででなければ、近いのはけっこういるような気もする(大学時代の友人の顔が頭に浮かぶ)。しかし解説によると、まんまユークリッジな友人がいたそうで、ウッドハウスって忍耐強い……(^_^;)
ユークリッジものは狂言に翻案してやれそうだなあ。
『星と呼ばれた少年』ロディ・ドイル(ソニー・マガジンズ)
1900年代のアイルランドの100年と、ダブリンのスラムに生まれた「無名」の男ヘンリー・スマートの100年を組み合わせた三部作の第一部。
名付けの際のごたごたで両親に名を呼ばれることも省みられることも、きちんと捨ててもらうことすらもかなわなかった主人公は、何度も何度も心中で「ぼくはヘンリー・スマートだ」と唱える。唱えなければこの貧しい町で、「無名」の誰かとして本当にいなかったことにされてしまうから。
第二部、第三部も出たら読む。
The Mysterious Benedict Society(
)
終わり方に言いたいところはあるけれど、でもまあ。続編も読む。
『タフの方舟 1禍つ星』ジョージ・R・R・マーティン
うわー2も一緒に借りてくるべきだったー!SF映画を「読んでる」ような気分。タフの言動が楽しくて楽しくてなりません。一人称が「手前」。
猫愛ある人、うまそうな食べ物が出てくる小説が好きな人にもいいかも。
わたしゃ早く他の借りてる本読んで、次借りに図書館に行く算段をたてねば。
かなり収獲はあったがちと外道(本命でない獲物)感。
これ三部作で一冊は遥かかなたの大昔に読んでて最後の一冊は読んでない。読むかどうするか迷い中。とりあえず先に、借りてきてる本を読まねば。
394
収録は表題作と短編二つ(『ジーヴスとギトギト男』『ポッター氏の安静療法』)。
マンネリだけどマンネリなりに人間関係に変化はある。今回のはちとでかい。バーティにとっては大きな収穫。たぶん。
ところでバーティはアガサおばさんよりダリアおばさんの方が断然好きなわけだけど(いやわたしもそうだが)、結果的によりひどい目にあわせてくれるのはダリアおばさんのような気も最近してきた(^_^;)
短編2編(Jeaves and the Impending DoomとJeaves and the Song of Songs)。すっごく薄いし短編なら翻訳ですでに読んでる可能性高いからどうにかなるかと借りてみた。予想どおり読んだことあるもので助かった(^_^;)
前者はアガサおばさん&ビンゴ・リトル登場の白鳥のやつで、後者はダリアおばさんの願いに応じてタッピー・グロソップの婚約を解消ならしめんためバーティが大衆に歌を供するはめになるやつ。我ながらすごいまとめ方だがまちがってはない。
読んだことあるやつだと頭の中で既読文体で日本語浮かんじゃう(特に会話)ので要注意なんだけど、まあこれは元々自分にはレベル高すぎのものだからよしとしよう。
波乱に満ちた冒険生活を終わらせ、トミーとタペンスも70を越えた。老夫婦が身を落ち着けようと終の棲家に選んだ屋敷には、偶然にも、第一次大戦以前の諜報活動にまつわるはなしが満ちていた。好奇心を抑えられないタペンスに引きずられまた冒険に巻き込まれていくトミー(と、飼い犬ハンニバル)。
……しかしながら年齢はなかなかのハンデ。途中のある箇所で
「いやそんなのんきにほほえましくハンニバルのエピソードで盛り上がってないで、そんだけハンニバルがほえまくってるってことは……、
ふたりとも、に ー げ ー て ー(棒読み)」
みたいな、のんびりモード。なかなかにおもしろかった。
『葉蘭を窓辺に飾れ』ジョージ・オーウェル
1930年代不況のまっただなか、学がある故に金を軽蔑し、結果、誰よりも金にとらわれ金を憎み、金にとりつかれる主人公(『金持ち父さん貧乏父さん』の貧乏父さん典型の家庭で育っている)。
途中で典型的アルコール中毒者的発想が出てくるのだけれども、そこで気づいた。金に中毒する、ということもあるのだなあと。彼の金に対するものいいは中毒患者のそれだと思う。
正直に言う。主人公の二度目の下宿住まいのような、自分のようなものに見合うそれになるようにと一切を切り捨て、諦念すらも浮かばないあの生活を、うらやましい、ああいう生活をしたいと感じている自分がいる。
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NHKでヤノマミの生活や習俗を扱った番組を見て興味を持ち借りたのだけど。あれって搾取され続け命を脅かされ続けている社会的弱者である面にはまったくと言っていいほど触れてなかったんだなあ……。今頃やっと気づいて情けない。
『キリンヤガ』、これと続くと、暗澹となる。
外部から観察する人にはノスタルジックなユートピアでも、その社会で生きてる人にとってはあくまで必死で成り立たせてる現実の生活。忘れないこと>自分
『
』 マイク・レズニック
キクユ族のムンドゥムグ(祈祷師)を主人公にした、ユートピアSF。
時々、まるで図ったかのようにベスト・タイミングで読むことになる本があるのだけど、この本もそうかもしれない。
何についてベスト・タイミングだったかはまあおくとして、他にも、
万人にとってのユートピアは成立しうるのか、とか、
「自由意志による外社会への脱出」を個人の権利として、同時に社会からの脅迫手段としても利用しうるシステムが前提となる社会は、誰にとってのユートピアか、なんてことも考えたり。
『P・G・ウッドハウスの笑うゴルファー』P・G・ウッドハウス
『人間の測りまちがい 差別の科学史』S・J・グールド
『FANTASTIC MR. FOX』 ROALD DAHL
『ナチズムと強制売春 強制収容所特別棟の女性たち』 クリスタ・パウル
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某さんが日記で書いてた感想を読んで興味がわいたのでまとめ借り・まとめ読み。わたしも整理整頓お片づけ一般ができないので。
前者2冊は両方とも前半の前半あたり、著者のネガティブ・スパイラル的な精神状態が見えるので、鬱気分の時はちょっとそのあたり読むのつらいかも。
『貯める技術』は、単身者で低収入とはいえ収入がないわけじゃないのにいつもいつのまにか金がなくなってるって人にはすごく参考になるかも。この家計簿は使えると思うし、この管理法もシンプルでわかりやすいしアレンジもしやすい。
読んでて一番おもしろかったのは三冊目。わたしもこういうレベルでできないしわからないので参考になった。なんつうか、やる気出た。珍しく。
『
520』
あまりの比喩の的確さに時々音読してしまったくらいの爆笑。あとがきに書いてあったが、今回の主役といってもい『ギャリーおじさんの回想録』は実際偽書が出版されてるそうで、ぜひ名高き「エビの話」を読みたい。ギャリー大好きだ。
あと、ウッドハウス家当主第四代キンバリー伯爵が実際に回想録を出版されてるそうで、そのタイトルWhim of the Wheelsは、訳者曰く
「ルーレットの目の出たとこ勝負人生、とでも訳せばよろしいか」
とのこと。……ウッドハウス家にはどうやらどうでしょうの血が流れているらしい……ある意味納得した(^^;)
タイトルがずっと気になってたんだけど、やっと今頃手に取った。で「今の」自分の興味のあること(言語とか差別とか宗教とか認識とか美醜とか)が全部詰まってたので、ああこれは時機待ちだったのかもなあと思ってしまった。
スタイルとアイデアが一致しててこの形態以外で語ること不能な感じの短編ばかり。『ゼロで割る』あたりでそれに気づいてぞくぞくした。
今頃、って感じだけど、これは読んでよかった。近いうちに買う。
936
好奇心と探求心の赴くままに、さまざまな領域・学問に足を踏み入れ首を突っ込みながら、語られたり論じられることの少ない「汚い」という感覚について、何をもって汚いとするのか、汚いとはどういうことなのか、を考えてみたもの。
「五感のヒエラルキー」、「明示知と暗黙知」(とネイティブ・非ネイティブの違い)、日本語教師の立場から見た日本の外人差別について、ネアンデルタールとホモ・サピエンスとアナログとデジタル、などなど、読んでてとても楽しかった。
「汚い」という言葉を中心にしたマインドマップを文章で読むような感覚。
088
どういう流れ・土台の元に「女性がつくり楽しむ男性同士の性愛物語」というジャンルが生まれたのか、またこれからどのように展開する可能性があるのか、を、『JUNE』という雑誌を中心にすえ、まとめたもの。「70年代サブカルチャーの総花としての「耽美」」「戦後日本における〈教養〉の申し子」ってのはなかなかおもしろいところ。
最後に故・石原郁子の映画評論家としての仕事に対して「女性がつくり楽しむ男性同士の性愛物語」が与えたものを検討し、「展開の可能性」について呈示している。
巻末にけっこうな分量で、竹宮惠子、増山法恵、佐川俊彦それぞれへのインタビューあり(本文で引用元として扱われている)。この面子であれば当然中島梓へのインタビューもほしかったが、時期的に難しかったのかもなあ。
読みやすいので、入門者参考資料的におすすめ。
2001年に、それこそ30年ぶりに改訂版で出版されたようです。数ページですが、改訂版用の訳者あとがきがついてました。
読んだきっかけは
の後半でこの本から引用されてる部分に惹かれたためです。自分が日常見聞きしてるものから見るとまだまだ通じる部分があるなあとにやっとさせられたりもしました。
図書館で借りた本だったのですが、ちょうどギフト券もあったので結局さきほどポチりました(笑)