杉本彩『リベラルライフ』(梧桐書院)
このひとの本は、三冊目。先々月くらいから月一ペースで読んでたりする。
えーと、なんだろう、基本、中村うさぎ女王サマの本を読むのと似たような気持ちになる。「息苦しい」という単語が連発されるのをみると、それだけでわたしも「息苦しい」です。が、まあ、だからこそ共感できる、し、好き。
これがいちばん新しいのかな。で、これがいちばん、そのなかではシックリくる。たぶん、このさきもこのひとは書くだろうと思えるし、そのことが、イイ。
お話しするにはログインしてください。
読了のことを語る
読了のことを語る
三島由紀夫『小説とは何か』(新潮社)
「炭取は廻った」。そうそう、これこれ! 十四歳(だったと思う)でこれに出逢い、わたし、これを目指して書いてきた気がする。三島の「虚虚」(虚実ではなく、キョキョとしか言いようのない「動機」、虚が加速して実を追い抜く三島の「姿勢」)を裏打ちし肥大増幅しつづけた、あの「強迫観念」が各所に満ち満ちて、その「そらぞらしさ」のあまり息苦しい。
世の中のひとにこの本がどう読まれるのかはなはだ疑問ではあるのだが。
三島とタイプ(気質? というか、まあ、書き方)の違う作家であろうとも、おそらく、それなりに三…[全文を見る]
読了のことを語る
どうせなら鴎外や谷崎にわが身を仮託したいと願うのに(だって最高の美文家で小説巧者だもん!)、どうしてか「由紀夫さん」のほうがシックリくるの。
鹿島茂編『三島由紀夫のフランス文学講座』(ちくま文庫)、
たいそうイイこと言ってました(て、ナニこの超絶上から目線w)。
個人的に面白かったのは、澁澤との関係、かなあ。シブサワはサド本の帯を書いてもらうのに、震えながら三島に電話をしたそうだけど(なにかでそう読んだ)、でも、けっきょくは、なんていうか、シブサワはシブサワだよな。乾いてる。醒めてるというか傲慢。不遜。不羈。しんから、えらそ…[全文を見る]
読了のことを語る
パスカル・キニャール『アメリカの贈りもの』(早川書房)
これにて、翻訳されたパスカル・キニャールの本はすべて読了いたしました。感無量。ウソ。他のも早く翻訳してほしいです。欲求不満です!
原題は『アメリカ進駐』です(アクサン記号だすのめんどいです、すみません)。アラン・コルノー監督の(自伝? な)映画原作でもある。映画は見てない。いつか見る。
訳者の高橋啓氏が「私にとって三島由紀夫は、ほとんど全作品を通読した数少ない作家のひとり」と書いてらしたのが、キニャールが三島について語ることより、実は、嬉しかったりする。
そこここにヴィヨン…[全文を見る]
読了のことを語る
うぎゃ、『中島らも烈伝』です!
ボケてる><
読了のことを語る
鈴木創士『中島らも伝』(河出書房新社)
いま読んで、よかったです。
うん。
やっぱりこの方のジュネ訳を読まなきゃだわ。
読了のことを語る
田中啓文『ハナシがはずむ!』と『ハナシがうごく!』(集英社)
これで3、4巻読了。
梅寿師匠のお見通しっぷり、深謀遠慮とはこのこととばかりの慮りが憎らしいこと憎らしいこと、ほんと、いつもながらカッチョエエの一言。まあ、あんなひとがいたら、まわりはたまったもんじゃありませんが(笑)。
この調子で「群像SF(ていうの? これみたいなビルドゥングスロマンで脇キャラ面白くて、みたいな)」書かないのかなあ。それとも、わたしが知らないだけであるのかな?
読了のことを語る
マルグリット・ユルスナール・多田智満子訳『東方綺譚』 (白水社)
パスカル・キニャールの『音楽のレッスン』を読んだときにこれを思い出し(高雅な文体で中国の師弟のことを書くっていう共通項?)、さらにはアルトー『 ヘリオバガルスまたは戴冠せるアナーキスト』でもユルスナールの影がちらつき、積読本が山ほどあるのにどうしても読み返したくなってしまったという(笑)。
わたし、こういうの読んでると幸せで、キモチイイんだよなあ。
ただ、二十歳のころ読んだときにさほどでもなかった文章(部分)にぐっときたり、記憶と読後感が違ってたりして面白かった。これは、『ハドリアヌス帝の回想』を読み直すのが愉しみです。
読了のことを語る
ウンベルト・エーコ『バウドリーノ』(岩波書店)
うおおおおおおおおっ!
これは、ものすごく、ものすごーーーーく、よいおはなしだ!!
エーコ先生、サイコーです。うん。
物語作家の面目躍如。カッコイイ!
盟友カルヴィーノ(様)へのオマージュなり返答なりを感じた。そこもまた、わたしのこころを揺さぶってくれてたまらない。
あと、12世紀ルネサンス好きにはたまらん仕掛けが山ほどある。
バルトルシャイティス好きは即読むべし!
それから、作家はやっぱり故郷のこと、じぶんのことを書くべきだよね。ていうのも思った。キシュがその家族の三部作を書いたよう…[全文を見る]
読了のことを語る
ジャン=ミュセル・アダン『物語論 プロップからエーコまで』(白水社)
ここでも紹介されてるエーコ先生の『物語における読者』(青土社)を再読しようかと思いました(これは本当に面白かった!)。
ところで。
実は今回いちばんの収穫とは、
ティエリ『メロヴィング王朝史話』(岩波文庫)があると知ったこと!(抄訳だそうだがそれでも嬉しい~v)
読了のことを語る
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.amazon.co.jp/gp/product/4309709664
『黒檀』が、『黒檀』が……嗚呼、言葉が、ことばがちっとも追いつかない。
凄いとか凄まじいとか、そんなんじゃ、足らない。
今年はこれがイチバンかも。
そりゃあ、レムもキシュもパヴィチもゴンブローヴィチもオオエも途轍もなく面白かったし、プルーストも、ボッティチェリおたくとしちゃタマラン代物であるが(いま2巻よんでるなう! いやもうこれは、ルネサンス美術おたく的には読んでるだけで快感です)、ちょっとこれは譬えようがない。
もちろん、小説じゃないってところで、すいと棚からよけ…[全文を見る]
読了のことを語る
大江健三郎『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』(新潮文庫)
面白かった~!
『水死』がメチャクチャ超絶技巧でびびったので、とりあえず大江さんをチョボチョボ読み始めている(今まで片手くらいしか読んだことなかった。この夏、『芽むしり仔撃ち』も読んだ。パクられまくってる理由もわかる、骨格のしっかりした、若さある、カッコイイ作品だった)。
で、こちら。
突っ走ってる感じ。32歳くらいかな。これで1967年、か。馬力あるなあ、と。
三島作品との関係も含めて、ゆっくり、でも丁寧に、読んでいこうと思ってるところです。
次は、『みずから我が涙をぬぐいたまう日』だ!
(いつ読み始めるかわからんがw)
/読了