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Tips:「話題」は“北海道/札幌/中央区”の様にスラッシュ(/)区切りで下位の話題を作り、重層化することができる。
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連続はてな小説のことを語る

「あなたは佐賀にいる人じゃないのよ」
そういう女の瞳には「disってるんじゃなくて」というエクスキューズがあった
では、どこへ行けばいいのだと口を開こうとする私を制して、女は踏切の向こうを指差した

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そんなこんなで、ティモシー、二郎、三郎の物語は終わった
五郎丸の登場には、まだ時間がある

この静けさは夜のうちに積もった雪のせいばかりではあるまい

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微かな電子音をたてて、二郎が再起動しようとしていた。
いけない。彼らは最初に見たモノに恋をしてしまうのだ。ティモシーは二郎の再起動を止めようとして、その瞳に映っているモノを見た。
ウェイトレスさんだった。
二郎と同じ年頃の、ティモシーの職業柄の観察眼からしても、いいお嬢さんだった。
ティモシーは二郎が彼女を見つめるままにし、彼の記憶、性格を“ごく当たり前の青年”に設定した。
さようなら、二郎、別れの時だ。
もう君は幸せになっていい。

ティモシーは三郎を伴い店を出た。

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三人の頬にはコテの痕が生々しく残っていた
傷に効くと聞いて塗ったオリーブオイルのおかげで、肌はつやつや、張りがあって、しっとりきめ細やかだが、三人とも疲れ果てている
もうランチタイムも終わるというのに、オーダーさえしていなかった

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その時、扉が荒々しく開き、ヒゲの男が現れた
男は「何が味噌汁だ、この鈴虫が!」と天然パーマの甲冑武者を罵倒すると、無理矢理外へ連れ出した
次の旅が待っているらしい
「眠れないんだよぅ…」という声が遠ざかっていった

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からんころん
味噌汁バー ねこまんまは無人だった
カウンターには重厚なカットグラスが二つ
スコッチが一瓶
パナマ産の葉巻が一箱

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イカ大王は夢を見ていた
すべらかな猫足バスに、うっとりと身を沈める
煙るような泡の向こうには、浴槽の縁に腰掛けるイカ女王の姿が見える
イカ女王は両手で湯をすくうと、イカ大王の外套に回しかけていた
(ああ、いけない、いけない。そんなに慌てると旨味成分が流れ出てしまうよ…。)

「え?この、でっかい冷凍イカ、お好み焼きにいれるの?生解凍で刺身じゃなくて?」

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一方、BGMはターミネーターとはいえ徒歩移動のイカ大王は、もはや物語に追いつく術はなく、幼稚園児の群にアピールすれども、幼稚園児は孵化したカブトガニと平家蟹の水槽を手に、海へ一目散
折しも西日本は40年ぶりの大寒波に襲われており、心が折れるばかりでありました

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というわけで、三兄弟の現在位置は
長男ティモシー、スイス上空
次男二郎、亭藻海 広島流川店
三男三郎、小豆島

母の行方は知れない

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スイスの山荘ではティモシーがスィートハニーのためにティム特製パンケーキを焼き、オレンジを絞っていたが、それもさておき

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その頃、三郎は「真田丸」で盛り上がる大阪の街を空堀商店街に向かって歩いていた
お好み焼きが食べたいのである

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こんな化物のような姿の自分に、何故なんの躊躇もなく店を手伝わせようとするのだろう?
三郎は不審に思いながらも、まず手を洗おうと洗面台に向かい、鏡に映った自分を見た。
「あ!顔が!姿が元に戻っている!」
思わず上げた声も、元通りだ。
人間の姿であるのなら何を憚る必要もない。今すぐ、ここから逃げ出そう。
三郎がそっと裏口から立ち去ったのと入れ替わりに、互いにそれとは知らぬままの生き別れの双子の兄がお手洗いを出て厨房へ入っていった。

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三郎母は三郎の変わり果てた銀色の顔を見て、内心安堵した
これならば、自分と三郎の関係に料理人が気づく恐れはない
一方の三郎も今は混乱の極みにおり、料理人の顔が本来の自分の顔そっくりだということに気づく余裕はない
この設定はまだまだ寝かせておく必要があるのだ
「フォーにバル…もとい海老っぽいものは不要。お前はスタンプラリーにお行きなさい。」
三郎母は三郎をいけすから路上へと放り出した

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ゾンビエビ娘(菜々緒似)は私の口元をすっと指でなぞると立ち上がり、白衣に身を包んだ修造の傍らに寄り添った
私は海老の鋏と化した手で自分の唇を拭った
金属の味がした
(これはいわゆるマッドサイエンティストと、ゾンビ的不死要素を備えたキメラ生物なのか…)
口を開いても「ふぉっふぉっふぉっ……」しか言葉の出ない三郎は、心の中でつぶやいた

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これは…ゾンビエビをエビセンにして食べたゾンビ分の経口摂取によるゾンビ感染なのか?
さらにゾンビエビ出汁海鮮汁の追いゾンビ分+ゾンビエビ娘(菜々緒似)の膝枕という接触感染なのか?
三郎は海老娘に問いただそうと、再び口を開いた
しかし

「ふぉっふぉっふぉっ……」

あぁ!俺の声が!俺の声が!

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頬に温かい湿気を感じて三郎は目を覚ました
これは…出汁の匂い…海鮮出汁の、そして味噌の匂い
「お目覚めですか?」
三郎は、菜々緒(auの乙姫ver.)をちょっと小柄にしたような女性に膝枕され、口元へ潮汁を運ばれていた
「う、美しい…しかし…」
その女性には触角があった
そして下半身は海老であった

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何故?お前は死んだはず…
三郎の疑問に、今や半透明の身体を剥がされた赤い殻の上に並べるばかりの姿となった伊勢エビが答えた
「私は焼かれる前の伊勢エビなのです」
伊勢エビは焼かれて死んだ
しかし死ぬ前の伊勢エビは時空を超えて、この居酒屋のいけすに現れた
そして、お造りになった今
再び時空を超えようとしている
「また、あなたに出会うために」

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そこへ、揃いのジャケットに身を包んだ男女数名がつかつかと歩み寄った
手際よく巨大カニカマえびせんの直径、面積、重量を計測していく
互いに目配せし、頷いたかと思うと、片手を上げ、宣言した
「ギネス記録更新を認めます」
秘密結社°F808の手に恭しく認定証が授与された

「なんてシステマチックなんだ!!」三郎は驚愕した
なんとかいう廃棄物業者が現れるのも時間の問題だ

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凄まじい炎の向こうに防火服に身を包んだ人影が見えた
焚シー坑フード
美味を悪徳と考える秘密結社、河岸八百八町之会だ

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三郎は修造日めくりをがっと掴んでばりっとめくった
もう今日が何月何日だかわからない
いいのだ
今は目の前のシーフードの諍いを収めることが何よりも大切だ