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HHK連続一行小説のことを語る

「おいっ、あんた、大丈夫かっ」

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そう言い終わるや否や、フラガールであったものは10本の足を持つ軟体動物に変身したのであった。

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「兄さんっ!」私はそう言って頭痛も忘れて立ち上がる。するとフラガールは私に振り返り「やっと思い出したみたいね」と薄ら笑いを浮かべた。

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そう言ったのは兄さんだった。全部の指に薄気味悪い指輪をはめて、青白い顔で蛸のうんちくを語った。いつも濃いお茶の香りがしていた。

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そんな風に思いを巡らせていると、タコとルーコラを持ち、バイクに乗ったフラガールが雪芽奇蘭の香りと共にバイクで戻ってきた。

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いや、もぎ取られたのは勝利ではなく己の頭ではないのか?

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などと居酒屋のオヤジ相手に一席ぶったら、「それはダジャレか?」と突っ込まれた。

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やはり二度寝は危険だということを身をもって知らされた。

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五年経った。

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そして検温に来たナースの顔に見覚えがあるような気がする……

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ふと周りを見渡すと、そこは病室だった。

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四年経った。

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記憶が混乱してきたようだ、頭を整理するために少し寝ることにする。

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紫縮緬?紫縮緬と大家は何か関係がありはしなかったか?その記憶を掘り出そうとした私の頭はいっそう激しく痛み出した。

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兄さん……。

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「どこからが今日一日なんだかわからない…!」

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慌てることはない。30分でフラガールは戻るはずだ。私はしばらく大家について思い出していた。

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去って行くバイクの排気ガスは紅茶でなく烏龍茶の香りがした。

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「ミ、ミル…」「ぶっぶー!ミルク禁止!そんなのつまんないじゃん、ありふれてて。」

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紅茶のトッピングを尋ねられた私は立ちすくんだ。