114億円の負債とともに熱海秘宝館に入場した。黒い遮光カーテンで包まれた次の間を「順路⤴」の指示に促されて分け入ると眩い光に包まれた。冬の西日のような低空から目を貫かれる光に目がくらみ、周囲の様子が判然としないまま、じりりじりりと歩を進める。すると、そこには
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57 億円の「行って来い」が完了した。そして、
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だから「57億円ください」というのが口癖になってしまった、「57億円ください」と秘宝館の受付で私は言った。
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女「ところであなた、どうして標準語で話しているの?確かカツオ人間は土佐弁しか話さないはず……」
男「ちっ、バレたか……」
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男「おなかがすいたなら、ボクをお食べ」
女「もう半分いただいたわ」
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カツオ人間と一緒に高知にいた。
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その頃、ヒヨコ先生は…
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私「ん?壊れているのか?」
み「そのようだ」
私「たいへんたいへん!しうりしないと!」
み「おみせやさんで、なおちてもらおう!」
私「ばーぶー」
み「ばーぶー」
まずい!このままでは大変なことになる!
私はもっちりしたちいちゃな指で壁掛け時計の振り子を止めた。
私「ばーぶー(あぶないところだった)」
み「ばーぶー(とりあえず、逆に振ってみるか?)」
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半分に割ったあんぱん(こしあん)をみなさんに勧めてみた。桑の葉の陰から「ふごっ」という声が聞こえたかと思うと、しゅるしゅると乳白色の糸が中空に立ち上った。
もう本当にちょっとかなり大きな蚕にしか見えない。
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ならばここで待とう。そう決めた私はまずあんぱんと牛乳を用意した。完璧だ。これで張り込みの人にしか見えない。
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私はヒヨコ先生の行方を追い、研究室を後にしようとドアに手をかけたところで、立ち止まった。この世の何よりも蚕を愛するヒヨコ先生が、蚕を置いて一人逃走するだろうか。
誰かに世話を頼んでいるか、逃走したと見せかけて研究室近くに身を潜め、人目を忍んで世話に訪れているか…。
この24時間のうちに、世話を頼まれた誰かか、ヒヨコ先生本人がここに姿を現すはずだ。私は確信した。
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そうか。ヒヨコ先生は自分が大家殺人の容疑者として追われているのを知り、羽化した蚕を身代わりにここに置いて捜査の目を欺いていたのだ。まんまと私も騙されていたようだ。
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それでは「アヒル先生」である。
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いかにも研究室らしい素っ気ないクリーム色のドアに、繭玉で作ったヒヨコのモビールが下がっている。
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毛玉を巻き終わると、みなさんは二回咳払いをした後、「ヒヨコ先生に土産が出来たな」と言って笑った。咳払いをするとき、みなさんの喉の奥で何かがからからと回る音がした。
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私が両手でくるくると巻き取ると、みなさんは気持ち良さそうにさらに糸をはいた。ほのかに心の奥底が暖かくなる…なんだろう、この気持ち。ああ、あれは冬の夜、母さんがボクの小さくなったスェーターを解いていた。あのスェーターは夕暮れのような紫色をしていたのだっけ。
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特にお腹は空いてないのですが……と思いつつあんぱん(こし)を二人でもさもさ食べていると、みなさんが「ふごっ」と眉間に皺を寄せた。口の中から糸が出てきた。
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まずは、Bar Octopusのフラガール&小さいガールズを元の一人のフラガーズにしたいところだが、小さいガールQの人気が思いのほか高く、なかなか難しい。
大家さんはまだ霊安室で眠っているはずだ。
兄さんはおいておいて、やはりここはヒヨコ先生の行方を追うのが妥当だろうか…。
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外に出て夢の中に逃げるのが一番の安全だとみなさんは知っているのだ。そのためにも私はあいつとヒヨコ先生とフラガールと兄さんと大家さんを見つけねばならない。
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羽根枕の準備もOK