「でもまだ、見つかっていません!」手拭いで顔を覆った男が叫んだ。「私はここに残って探します……みなさんは、外へ!」
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鎧が必要な地域に突入したようだ。
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「あーまーぞーーーーん!」
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蚕・・・。繭・・・。そうか、ヒヨコ先生はもしや・・・。
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ヒヨコ先生は年の頃なら30代前半、いつもかがんで蚕のお世話をしているためか猫背気味で、時にとても年老いて見えるが、俯いた首筋の白さは美しく、少女の繊細さを感じさせる。
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「そうね。本物の温泉なんかに連れて行ったら、この子達、排水溝に流されて、そのまま海の藻くずになっちゃうわよね。」
フラガールは小さいガールズを元に戻す方法を知らないのだろうか。
戻せば済むことなのに…。
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にや……と我知らず笑みがこぼれるフラガールの下で、ガールズが「温泉! 温泉!」「おぷろ、おぷろー!」の大合唱を始めた。フラガールは感動した。
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我にかえったガールQは、辺りを(というか足元を)見回した。
そこにはフラガールとフラガールに抱えられた小さいガールズがいた。ガールQはメソメソと泣き出すと、みるみる小さくなり、他のガールズと一緒にフラガールの腕の中に収まった。
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*ちなみにガールQが巨大化するとともに、ガールQのフラドレスも巨大化しているので、その辺りはお含みおきください。
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よく子泣き爺と間違われるが、海坊主は海に棲む怪物である。
おばけのオーリーとも、また別物なのである。
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みるみるうちにガールQは巨大化して海坊主ぐらいの大きさになった…と言っても海坊主を見たことがない人には分からないだろうが。
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「なにするんでちかっ、ガールは食べ物じゃないやよっ」ガール Q は泣きながら抗議した。フラガールは口の中からぺっと髪の毛をはき出すと、またかっと口を開けた。犬歯が見えた。そこへ入っていく蛸マスターの脚。
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しかし咄嗟に蛸マスターの脚がガールQを奪い取ったため、髪の毛が全部抜けただけで済んだ。
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「どしゅこい…どしゅこい…」小さいガールQはフラガールの掌でうわごとを言った。チワワのように小刻みに震えていた。
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小さい関取の身体から立ち上る湯気で、もう店の床は見えない。そのうち、小さいフラガールズの姿も、小さい関取衆のちょんまげの先も湯気の海の中に消えていった。そこへ、つと手を伸ばした蛸マスター。くるくるくるっとその手を巻き取ると、フラガールの手のひらにぽとりと落とした。一番仕事のできない小さいガールQだ。
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「鮪と鴨肉のどすこい巻」…その米粒が今や小さな関取となって、押し寄せていた。最後尾で相撲甚句を唄っているのは、小さい木村庄之助である。
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ちてちてとてちてぱたんぱたん たん
ちてちてとてちてぱたんぱたん たん
ちてちてとてちてぱたんぱたん ぱたん
一拍遅れているのが一番仕事のできない小さいガールQである。
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フラガールの心配をよそに、進捗状況としては 48 %というところまで来ていた。が、小さいガールズが増えつつあった。小さな空間に小さなガールズたちの立てる、ちてちてとてちてぱたんぱたんといった音が響いていた。
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その頃、小さいガールズは和服の男の始末をしていた。進捗状況13%。
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フラガールは鮮やかなブルーのフラドレスをするりと脱いだ。その身体は銀色だった。
「全裸で…レイだけは…取らないとか…兄さん…ぐっじょ…」
言い終わらないうちに謎の和服の男は床に倒れた。
確かに「兄さん」と言った。この男も兄さんの分裂した人格の一人だったのか。