/俳句

もち肌のずんだ妬まし水ようかん

その色に魅せられ口づけ水ようかん

水羊羹年相応に丸まりぬ

宝石を魅せて盗らせぬゼリーかな

かき氷割れ物として生まれけり

梅雨晴れ間アスファルトの空蹴ってゆけ

老人と犬それぞれに梅雨の晴れ

父の日や好物一つが見つからず

黴びぬうち黴びぬうちにと供菓（かし）をさげ

滴りや聴く人もなし変拍子

梅雨の晴れ猫の欠伸の間に曇る

何処より来る綿毛や梅雨寒し

*すみません…直しました…

缶ビールちびりちびりの天気雨

部屋干しの風にふわりと缶ビール

蕎麦の沸く鍋やちびりと缶ビール

雨音にへの字のまゆとため息と

梅雨寒しちびりちびりと缶ビール

夏帽子骨董市を行き交へり

水のごと音質量を解き放つ

足跡やプールサイドを黒く塗れ