英語や中国語のように、語順で係り結びが決まる度合いが高く、文頭に主語を置く言語では、「誰が」「何が」を最初に明確にしておく必要がある。日本語では、係り結びは助詞で決まるので、語順の自由度が高く、主語の後出しをしても形を繕いやすい。それでうっかりすると、後出しもついぞ忘れて、省略するのが癖になってしまう。
しかし中国語も、古典漢文では「文脈を追えば分かる」主語はむしろ積極的に省略する傾向が強いと思うのに、それに比べて現代語では我とか你をよく使うようになった感じがする。だとするとこれは、中国人が異民族との関係から意思の疎通を厳しく…[全文を見る]