「英語を勉強し直したいからあれ買ってきてほしいの、テレビでやっているほらあの、ゴルフの選手がやってるの」
最近すっかり元気がない義母なので無下にもしたくないんだけどうーんどうしよっかなーと思う今日このごろ
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義母のことを語る
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ケーキの箱を開けたとたん「わーっおいしそう!!」と女の子の顔になって、
「ね、わたしこれにしていい?」と言って指したのは義母を想定して選んだフレッシュフルーツが山盛り乗ったタルトだった。
P氏にはモンブラン、わたくしにはミルフィーユ。
黙っていてもそのとおりになったので、みごとに各人の好みを読み切ったわたくしはたいそういい気分。
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本来は生真面目でお節介で他人への遠慮とか距離のとり方がいまいちわかってなくてすぐに「(ワタシの思う)正しい方に導いてあげなきゃ」的な行動に出る人。
でもここ2年ほどは義父の心身の具合や本人の持病の状態で頭がいっぱいで会っても己の身辺の心配事の話ばかりだった。
だがごく最近になって義父の調子が良くなって落ち着いたのか、先日通院に付き添ったときは善意100%でいきなりうちの両親の病気の治療法の是非みたいな話をしはじめた。
そうかようやく身辺が落ち着いてお節介を焼く余裕ができたのねよかった、とわたくしのなかのイイコちゃんは言っている。
あーちょっとめんどくせーざっくりかわしちゃうからいいけどさー、ってわたくしのなかの残りの人が言っている。
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朝から義父の入院絡みのあれこれを手伝い愚痴を聞き(流し)お買い物につきあってお茶。
「これが落ち着いたらQ子さんにもお礼しなきゃ。そうだバッグ欲しくない?」
「そんないいんですよー」
「わたしわりとエルメス好きなのよ。Q子さんは嫌いかしら」
「いえいえ大好きですよーバーキンいいですよねー」
「じゃあ落ち着いたらエルメスのバッグね」
「(ええええーっ)」
激しく世間知らずな義母が自分の言ってることを分かってないのは確実ですが、いちおう義父殿には本気で治っていただこうと思います。
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季節の素材が得意な料理屋さんのカウンターで「前にここでいただいたのがとてもおいしかったの。銀杏くださいな」と注文。
時は4月。
板前さんは目が点になってました。
(通い続けるお店では必ず最終的に板前さんの生徒みたいになって教え諭されています。
「銀杏はね、秋にしかないんですよ。覚えといてくださいね。今日は山菜にしましょうね」みたいに)
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会いに行ったら最近飾ったという置物を見せてくれた。
おかっぱ頭でぷっくりした幼いの子の木彫りの像。
「一目でQ子さんのイメージそのままだと思ったのよ」
いつもマイペースし放題なんだけどそう言われるとなにやら可愛く振る舞わねばならないような。
もしかしたらすごい高等戦術をかけられてるのかも知れない。
いやでもちょっと嬉しかった。
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結婚して1ヶ月ほど経ったある日、突然電話がかかってきて「まさか今息子はインドにいるのではないか」といわれて目が点に。
ちょうどその日、インドで国内線の飛行機が墜落したというニュースを見てなぜか急に心配になったらしい。
だが配偶者氏はその当時1ミリも海外と関係のない仕事で海外出張もまったくなく、どこをどうとってもインドとは縁がない。
(もしや冬彦さんの母フラグなのか…!)と動揺しつつ、ギャグとして昇華する方向で明るく大笑いしてみた。
一瞬気分を害した気配が電話口から伝わってきたけど、そのあと「あ、すごく変な心配しちゃったわね?」
あのとき一緒に笑ってくれてほんとうにありがとうございます。
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結婚してしばらくたった頃、会いに行ったら「プレゼントがあるの」といって箱を渡された。
中にはワンピースが3着。しかもなんとも乙女な淡いピンクのふりふりばかり。
男の子しかいなかったからこういうことをしてみたくて、とはにかみながら言われた。
あまりに路線が違っていて上手に着こなしたところを見せられなかったのだけど
選んでくれたことがすごく嬉しかった。