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短歌のことを語る

熟すほどなぜにゆかりにあけびの実触れぬ孤独のさびしさゆえか

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咲けば散るものとは知りつつにわか雨桜をうがちざわめきやまぬ

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打出過ぎ次は芦屋と気がつけば不意のまどろみ背筋は寒し

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東から明けるものとは知りながら酉鳴く朝はざわめきやまない

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過ぎし日に見失いしもの見つかりてとりあたまゆえのこぼれ幸い

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柚子の香は消えるものとは知りながら湯上り肌はほど良く漬かりし

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内宮のそばで求めし鮫小紋誰に渡すのその伊勢土産

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ちくわぶの味が染みたる幸福をわかち味わう秋のファミマで

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りんご菓子 ほのかな酸味 噛みしめて 舌はうれしや 春待つ甘さ

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風呂沸かし 足先つけて ひっこめる 入るも苦行 入らずも苦行

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年の瀬に 干し柿見つけ 立ち止まり 鐘はならねど 腹はなるなり

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ひそやかに 夜の逢瀬で 手をつなぐ  
そのうしろ姿を 月がみている

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湯気がたつ その光景と よく染みた
おでんの大根 冬の幸せ!

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のぞきみて胸の高鳴り隠しつつ
改めて知る触れたい唇

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器用なら言葉はいらずに伝えしものを
不器用ゆえに言葉にならず

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陽を浴びて雪は溶けども溶けきらぬ
募るおもいに惑いし紅顔

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出るまでに まよいまよいし 服のいろ
こころ満ちたり 雨は降れども