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めしばなのことを語る

1980年代、うちの小道を挟んだ隣のスーパーの裏口の、大きい風除室みたいになっている所に、入れ替わりでたこ焼きとか菓子を売る屋台が入っていた。
そこでたまに売っていた「お好み焼き」なのだが、とにかく「黒い」という印象が残っている。ペチャっとして黒い。ソースの色である。何か具が入っていたはずだが覚えていない。
ホットプレートの普及に伴って全国に広まったといわれるお好み焼きだが、当時は北海道ではまだよく知られていなかったと思われる。町でも「お好み焼き」と称するものが売られていたのはたぶんそこだけで、出す食べ物屋もなかったし、惣菜売り場にならぶこともなかったはずだ。
この「お好み焼き」は、そんな時期に、おそらく、的屋のような人が、本場のお好み焼きも食べずに、聞きかじりで適当に作ってしまったものではないかと思う。北海道はそういうことが起こる場所だったのだ。
今でもあの「お好み焼き」がどこかにあったら、もう一度食べてみたい。