ひょんなことから原野を散策することになった。原野は遠目からは途轍もなく美しいんだけど、実際に行くと過酷極まりない場所で、散策は突如として冒険に変わった。だいたい昭和時代の極細の梯子を上り下りしたり、崩れかけの土手を飛び越えたり、薮を漕いで道なき道を辿ったり、泥まみれの石垣を攀じ登ったり、凡そ普段の生活では使わない動作の連続だった。ただ100年くらい誰も足を踏み入れたことがない場所には、100年前の暮らしの跡や近代構造遺構物などがそのまま残っていて得るものも多かった。原野にある近代構造遺構物とは「どのように原野を人間が暮らせる場所に変えたか」を考察できるなかなか神秘的なものなのだ。荒々しくも美しい自然に、身も心も清められた一日だった。
日常のことを語る
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