○アルベート・カミュ『ぺスト』(新潮文庫)
最悪の伝染病ぺストが流行し、閉鎖されたアルジェリアの都市を舞台にして描かれる人間ドラマ。
一応医師である主人公のリルーの覚えがきという体裁で、極限の状況下で人はいかに生きるか、いかに死ぬかを淡々と追った小説。
正直、長いです。しかし登場人物が非常に魅力的です。本筋だけでなく、サイドストーリーも読ませます。
仮にアルジェリアの街に象徴された「行くあてのない閉塞感」、「抑圧された状況」、そして「夏のうんざりするような暑さ」!
こんな暑い日には何もする気がしない!という高校生や大学生、または大人の方には、共感できるところが多くあるでしょう。
最後に、主人公のリルーが仲間と海で泳ぐシーンがあるのですが、ここがすごく印象的です(カミュは確か太陽と海の作家とも言われています)。
長い物語が終る頃には、あなたはきっと地中海に小バカンスへ出かけている気になれるでしょう。
夏の一冊のことを語る
