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自分(id:happysweet55)のことを語る

「シモーヌのためのアダージョ」
ヨーロッパのクリスマスはかなりすごい盛り上がり方で、この数週間、どこへ行っても、お祭り騒ぎだった。
イブの夜、パウロは、シモーヌ(眉毛の濃いフランス人)と食事をする約束をしていた。
そして、ある街のある広場で、18時00分に待合せをしていた。
このシチュエーションに、彼の気分はアラビアータ・フォルテッシモであった。
広場の近くには、沢山の教会があって、30分ごとに鐘が鳴り響いてた。
しかし、いくつもの教会の無数の鐘が、別々の旋律でほぼ同時間に鳴る、その状況を想像して欲しい。
それはカンツォーネでもあり、アダージョ・ピアニシモな雰囲気でもあった。
大きな広場にはひとっ子一人いなかった。
「たぶん、これは日本でいうと、
大晦日みたいなものだな」とパウロは思う。
「ゲーテさん、これはおいら、『待つ』って詩が書けるかも知れませんよ!?」とパウロは広場の銅像に笑いかけた。
なにせ、彼は遮るものが何もないマイナス5度の吹雪の中、シモーヌを待っていたのだ。
「うん、こんな寒さなんて屁でもないさ。
なんせ、今夜は暖かいベッドで眠れるかもしれないんだからな!」
だが、待っても待っても、女はやって来なかった。
やがて、雪はますます強く降り、風は激しさを増していった。
そして、その中、我らがパウロの恋心は天使様が住む空へと召されていったのである。
おお、シモーヌ!! シモーヌ!!