その昔、恐ろしいくらい、キレイな女の子がいた。
身長が170cmくらいあって、栗毛の色白で、目が大きくて、裕福な家庭で育てられた大阪弁を話した。
まったく曇りがなくて、眩しくて、いつもセンスのよい服を着て、ハイデガーを読み、キャンパスの雑誌の表紙を飾った。
ぼくは大学1回生で、入ってた英語サークルに入部してきた、彼女と知り合った。
スタ〇フォード大学の研究センターの留学生と英語で話さない? と誘って、遠くまで自転車で出かけて、
結局誰とも話せず、“自分何がしたかったん?”と顰蹙を買った。でも、怒った表情でさえ、彼女がすれば、美しく、眩しかった。
“彼女といると、私は日蔭の人間だなと思うよ”と、同じくらいの身長で、普通に美人な友だちがため息をつくくらい。
でも、彼女はその頃も、ドラッグに悩まされていた。ドラッグを購入するために、借金をし、高収入のアルバイトを行っていた。
誰一人として、そんなことは思いもしなかった。彼女は美しく、裕福で、絵に描いたように幸福だった。
大学卒業後、彼女は一流商社に入り、まもなくして大学時代から交際のあったボーイフレンドと結婚した。
しかし彼女はドラッグをやめることができなかった。家庭に入ってからも。彼女はモデルとして、アルバイトをはじめる。
お金が必要だったのだ。地方では彼女は結構有名になり、テレビにも出演するようになった。誰もが彼女のことを美しいと思った。
しかし、それにも限界があった。そして、ついに破たんする。高校生の頃に、同級生からすすめられて、興味本位で始めた
ドラッグの地獄。それが、その本には、切実な思いでつづられている。(彼女の人生を一瞬かすめたぼくは出てこなくて残念)。
表紙は美しい彼女の高校生の頃の写真だ。単行本。“いったい、どうして彼女がドラッグなんてやっていたんだ!?”とぼくは叫びたくなる。
同時にその本には、彼女が現在関わっている地域遺産とも言うべき、森の保護運動についても書かれている。
その地獄の中で、彼女の魂を救うことができたのは、柔らかい、森の緑と空気だけだったという。写真も載っている。
彼女は今もやはり完璧に美しい。なんでこんなに美しいんだ。ありえへん。美しい!!ありえへん。
という、結構、ぼくさえ登場しなければ、映画や小説になりそうな夢を見て、起きました。
悪夢。でも、ここまでの長文を書かせるくらい(書かずにいられない)、太陽みたいに美しく、眩しい女性がこの世の中にはいるんですよ!!
ってことで。いやあ、本当に、彼女はキレイだ。
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