ふと色々考えることがあって、手塚治虫のライフワーク『火の鳥』16巻を一気に読んでしまいました。
ぼくが生まれる10年も、20年も前に書かれたこの漫画は色々すごい。
まず、この漫画が書かれた当時の世界人口は30億人だったのです。2019年の世界人口は約77億人。
そんな時に、手塚治虫はロボットが人の心を持ったり、クローン人間を作ったり、人が溢れて自然が荒廃する地球を描いてました(大体が現実化してたり、しつつある)。
ぼくは『インターステラー』という映画がとても好きなんですが、別の惑星に人生を探しに行くという人たちも登場します。
そして、全篇通して、描かれる人の命の儚さと時の無常さ(手塚治虫の漫画ではわりに簡単に主人公級の登場人物があっけなく死ぬ)。
わりと初期の作品(おそらく1960年代頃)に描かれてる宇宙の広さの箇所が象徴的なんだけれども、
この人はわりと今我々が生きてる空間としての宇宙だけじゃなくて、
無限の繰り返しの中にある宇宙(簡単に言うと宇宙自体が生まれては消えていく営みの中にある)に思いを馳せて、
この作品を描いてたんだろうなあと思いました。
特に1950-70年代に描かれた21世紀や25世紀、35世紀の地球がめちゃめちゃ切ない。
わりとビートルズの原盤アルバムを聴いたら、音のカッコよさにビビったり、
色んなアーティスト作品の原点を垣間見るように、この漫画が元祖・輪廻宇宙的作品の大元なんだよなと感じました。
もう少し早く、この作品をちゃんと読んでいたら、ぼくは決してこの選択はしなかっただろうし、
別な人生を送っていたかも知れないと思いような、でも今読んでよかったと思うようなドストエフスキー、ガルシア・マルケス級に素晴らしい作品でした!
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