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かぐや姫のことを語る

かぐや姫 25 くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝

おじいさんは、すっかりその気になり、姫の寝室の中をかたつけました。

皇子は、「苦労して玉の枝を探したことを、今さらいろいろいってもしかたがないが」といいながら、縁側にあがり座りました。
おじいさんが、皇子に聞きました。
「この木は、どんな所にはえていたのかね」と。
すると、皇子が話を始めました。

二年前の二月十日。
難波から船に乗り出発しました。
蓬莱山の方向がわからないので、心細かったけれど、風にまかせて航行しました。
航海を続けていれば、いつかきっと蓬莱山にたどりつくことができるだろうと思いました。