id:dowakan
かぐや姫のことを語る

かぐや姫 24  くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝

「くらもちの皇子は、姫が希望した蓬莱の玉の枝を持ってきたのですよ。姫、もう皇子の申し出をことわることはできません。自宅へも寄らず、旅の姿のまま、姫の所へきたのです。皇子と結婚しなさい」
おじいさんがいいました。

姫は、おじいさんの話も聞かず、頬杖をついて物思いにふけっています。
「姫。これは、日本では見ることができない貴重な玉の枝だ。皇子の申し出をことわる理由は、何もない。皇子は、人柄もよさそうだし」

すると、姫が。
「私は、じいのいうことを、ことわることができなかったので、くらもちの皇子には、蓬莱の玉の枝を・・・と、いいました。蓬莱の玉の枝など、たやすく持ってくることはできないだろうと思ったのに、簡単に玉の枝を持ってきました。ほんとうにくやしい」と。