id:dowakan
かぐや姫のことを語る

かぐや姫 17  石作の皇子と仏の御石の鉢

その鉢は、大和の国十市郡にある山寺の、びんずるの前にあった鉢でした。
皇子は、その鉢に、たっぷり煤墨を塗り、錦の袋に入れ、かぐや姫の家へ持って行きました。

かぐや姫が、石作の皇子が持ってきた鉢をみると、鉢の中に手紙が入っています。
ひろげてみると、次のような歌が。

  海山の道に心をつくしはてないしのはちの涙ながれき

かぐや姫は、「鉢に光があるかしら」と、何度も鉢をみました。
でも、何の光もありません。