かぐや姫 11 貴公子たちの求婚
「姫。うれしいことをいってくれるね。じいは、今年七十になった。いつまで生きていられることか・・・。じいが気になるのは、ただ一つ。姫のことだけ。この世の人は、男は女をめとり、女は結婚してこどもをうむ。そうやって、一族が栄えていくのじゃ。姫は、結婚する気はないのかね」
「じい、なぜ結婚しなくてはならないのですか」
「姫は、女だから。じいが生きている間は、生活にも困らないから、一人でいられるだろう。でも、じいが死んでしまったら、生活に困る。今も、五人が、姫に会いたいといって毎日きている。姫、その中の一人と、結婚したらどうかね」
