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せきららこのことを語る

引っ越しが決まってから行ったアイスショーは、ドリームオンアイス、プリンスアイスワールド、そして極め付けは、引っ越し翌日に設定してあったTHEICE名古屋千秋楽でした。
え、遠征…引っ越し翌日に。実際死ぬかと思ったし半分死んだ。2日で4時間しか寝てない。眠い。暑い。朝は早い。しかし、ショーは行ってよかった。心からそう思えた。
THEICEは、「洒落てる」「モダン」と「わかりやすい」のバランスが本当に上手で、特にここ数年の演出やショーとしての楽しさは私の中でだんとつなんだけど、今年は、浅田真央の引退後初の滑りということで浅田真央に完全に焦点を合わせた演出でした。浅田真央、すごかった。八面六臂の大活躍で、その点数が稼げそうなスピン、何回やるの?何曲やるの、って感じで。

勝ち負けの決まる世界での浅田真央はすごくかっこよかった。
でも、プロスケーターとして氷上に立つ浅田真央は、「可愛い真央ちゃん」と思いたい人たちによってみんなが見ないようにしてた彼女の成熟が前面に出ていて、一方で彼女らしくて、すごくかっこよかった。

3Aを飛ばなきゃいけない、勝たなきゃいけない、と本人にしろ周りにしろ思わない世界で、浅田真央のその滑りの素晴らしさにちゃんと焦点が合えばいい。

たくさんの観客がいながら、リンクの上で「独り」を感じさせるその滑り。高いレベルのダンサーが、誰もいない舞台で黙々と練習をしているような、それをこっそり見せてもらっているような、贅沢な時間を感じさせる滑り。ずっとそう思っていました。

今回のオープニングはまさにそんな始まり方で、浅田真央はリチュアルダンスでモブとなって踊り、ソロの場面では全てのスケーターに魔術をかけていく、というような演出で、本当に魔女みたいだった。かっこよかった。かっこよかった、って何回言うの。いや、何回だっていっていい。

この後、帰りのチケットを落としたり、帰る電車の1時間前に見つかったり大急ぎでそこに取りに行ったり、間にあわせるために乗ったタクシーの運転手さんに「ここからが勝負だよ」(間にあわせるために)って言われたりしました。