【映画】【ネタバレ注意】
そんな訳で、『さまよう小指』の、あくまで俺なりの感想を、もう少しだらだらと。
ホントマジで事前情報不足で行ったので、劇場でチラシとか見て「ストーカー女が片恋相手の小指から作ったクローンと同棲する話」って知った時は、
うわーこりゃ失敗したかも、ひたすらおざりょさんだけ見て耐えるしかないのか?って期待値だだ下がりだったりしたのですが、始まってみたらツダカンも居たんで……ってそこじゃなく(笑)、
話自体が、俺的にそんなに嫌な感じじゃなかったんでホッとしたのが正直なところ。
冒頭で、真奈美(ボウケンジャーだったのは知らなんだ)が涼介の目の前で裸に服を纏いながら、
「人は所詮愛するより愛されたいもんだし、愛されたないと愛せないもんよね」みたいな事言ってるシーンがあるんですが(台詞はいつものようにうろ覚え)、
そんな感じだったというか、ラブコメっちゃーラブコメなんだろうけど、「恋愛」なのか?みたいなとこのある話だったんです。
……だってヒロイン桃子、あれって多分『容疑者Xの献身』の石神の同類じゃねえのかと。
他者からの好意や優しさに絶望的に飢えてて、たまたまそれをくれた(と思えた)相手にどうしようもなく執着してしまい、相手が異性だったもんだから「恋愛」ってことになるっつーアレです。
桃子が話の割と冒頭で「お母さんになりたい」ってのも、自分自身を育て直したいとか家族関係をやり直したいとかいう感じのように聞こえるんだよねー。
しかも桃子の場合、相手(涼介)を喜ばせてあげようとする事が、悪意はないにしてもあまりにもトンチンカンなもんだから結果大惨事、という。
かたや、そんな桃子に「惚れられる」涼介も、ヤクザにもなり切れない自己中なヤリチンで、真奈美が指を詰めてまで(って体で)自分を追ってくるまで、「他人を想う」って事を知らないみたいな感じなんじゃないかと。
で、「小指」ちゃんはクローンとかアンドロイドの出てくる話のセオリー通りっていうか、
自分を作ってくれた桃子にはとても忠実で、その延長で、涼介に酷使されてても、困り顔をしてる(←この顔が妙にキュートだった)くらいで不平1つ言わないんだよね。
だから彼のおかげで、桃子は「好きな人が自分を大事にしてくれる」って経験を得ることができて、涼介は「好きな相手の為、自分自身には何の得にもならない事に身を粉にする」って実例を目の当たりにしたんだろうと。
その事で、二人ともちょっとだけ変わっていった(トークショウでは「成長した」って言われてたな)結果が、あの、穏やかなラストにつながるんだなってところで、
お話としてはわりとまとまってるし、涼介と桃子がくっついてメデタシ、じゃないとこも良かったなあと思うのです。まる。
あと、「ガーリー」って形容される女性写真家とか女性映画監督って、女子を撮ることに関しては熱意があるけど、男子だと……ってとこがあるように思う(偏見?)んだけど、
竹葉監督の場合、少なくともこの作品に関してはそうでもない……ような気がして、そこも好ましかったです。
っていうか、おざりょさんの冒頭の裸は、設定上も必然性があるし、アレのパロディやりたかったからってとこでもわかるけど、
ラスト近くのツダカンのシャワーシーン、あれは純然たるサービスカットなんじゃないだろうか(笑)。
まあ俺としては、
おざりょさんやツダカンの裸>>>(越えられない壁)>>>>>かでなれおんとかいう人(初めて知った)のエロナース姿
、ってな感じなので結果オーライですけど。ごめんダイノジ大谷さん(トークショウでかなりかでな推しだったので)。
