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自分(id:spectre_55)のことを語る

映画

そうそう、『さまよう小指』上映後のトークショウの話をしてませんでした。
水曜日だからってホントに突然フラッと行っただけの俺は、劇場窓口で初めてそれがある事を知り、思わず「……別料金ですか?」とか確認しちゃったのですが(笑:別料金じゃなかったよ!)。
映画が終わって登壇したのは、司会のダイノジ氏と、映画評論家とか映画ブロガーだかの男性三人(残念ながら、三人とも俺はよく知らない人)と、紅一点でしかも「女子」って言ってもまだまだセーフな感じにお若い(御年31歳だとか)竹葉リサ監督。

で、おっさんと呼ばれてそうな男子四人にアラサー女子一人、ってメンツのせいか、作品中でわりと目立つ上に分かりやすいガーリー要素のせいか、
トークの内容の中には、やれ「やっぱり子宮で考える女には叶わない」とか、「監督本人が可愛いよね」とかいう、つまんねー話もちょっとあったり……。
あと、俺が自主映画に関して不勉強なせいで、申し訳ないけれど正直よく分からない話もあったかなー。まあ、水曜料金の上タダだったからいいか、とは思いましたけど。

そんな中で俺が一番面白いと思った話はというと。

……作中、ヒロイン桃子の部屋には、片恋相手である涼介の写真とか、それを加工したポートレートみたいなのとかがベタベタ貼ってあって、その中にウォーホールの「マリリン」とかスープ缶あたりの例のアレみたいな感じのヤツがあるのね。
で、映画評論家?の人の一人がそれを取り上げて、ウォーホールはその辺の作品で、大量消費社会への批判を描いた訳で、それを引用したって事は云々、みたいな事を言ったんですよ。
でもそれを聞いた監督は「…そんな事意識してませんでした」って答えて、場内をズッコケさせた後で、「でも、そういう風に読んで頂ける事が嬉しいです」って言ったのね。
ああ、それはそうだろうなあ、「作る側」と「見る側」ってそんなもんだよなあ、と。

ウォーホールのあのスタイル、「コピーして色変えて反復」ってのは、もはやその元々の意図とか離れて「なんとなく格好いいもの」って扱いで広まってると思うし
(それがまたウォーホールの凄さ鋭さを証明してる、ってのはある気がするけど)、

なんつーか、俺は俺の見られる範囲内でしか、というか、俺の見たいようにしか物事を見られないよなーとは、専ら「見る側」でしかない俺がしばしば思うところなので。

……あと、竹葉監督は映画というより「映画祭」が好きで、それが昂じて映画を撮るようになったって事なんだけど、
イベント終盤に「こうやって映画の話をしている皆さん(男子四人)がみんなすごくいい顔をしている。好きな物について話す夜は、いい夜ですね」
みたいな事言いながら、ご本人もすごくニコニコ微笑んでたのがなんか良かったです。それ聞きながら俺も笑ってたような気がする。