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今日読んだ本のことを語る

文芸書じゃないけど。
学研まんが大人のひみつシリーズ「からだのひみつ」

(小学生向けの)学研まんがひみつシリーズ「からだのひみつ」のセルフパロディ企画で、学研「大人の科学マガジン」に連載されていた作品の単行本化版。

娘が見たがっているんだけど、ちょっと見せられない。つーか、ふりがなゼロで娘だけじゃ読めないから、色々聞かれたとき、返答に困る。「うんこのひみつ」とか「ハゲ〜」とか「メタボ〜」とかならまだいいけど、「死体のひみつ」は正直言って辛い。

「死体〜」は、法医学者の監修で、絶命したまま火葬されない遺体が、どうやって土に帰るかを記してあって、結果として、独居老人の孤独死の発見現場をリアルに伝えるものだった。しりあがり寿テイストでごまかしてくれているから、何とかちゃんと読めたけど……。
ぼくら「○○のひみつ」世代は、近い将来肉親を見送る立場であり、それが孤独死になるケースも十分あり得るから、あえて取り上げたのだと思う。おかげさまで両親とも健在だけど、自分も覚悟を決めておかないといけない。

これは、一昨年、伯母が亡くなった時、従兄が実際に体験していることでもある。訪問介護さんへの応答がないから、合い鍵でマンションの玄関を開けたら……っていう、よくある孤独死のケース。
伯母本人はプライドが非常に高い方だった。8年前、ぼくらの結婚披露宴を開いた時、伯母は「自分の衰えた姿を晴れの場で見せたくない」と言って、出席を従兄に頼んだくらい。そんな伯母だから、誰にも自分の死に目を見せなかったことを誇って、立っていったんだろう……と思えば、送り出す親類は気持ちに折り合いをつけられる。けれど、絶命から発見までの時間次第によっては、従兄が見た伯母の姿は果たして……と、その場面を考えさせられるまんがだった。

最近、携帯電話データ通信機能がついた電気ポットがあるけれど、それの本当のニーズは、元気な時の見守りではないのでは……という気がしている。