王子は、この自然の比類なき宝石箱、天が最高額の預金をした銀行、愛の最強の兵器庫を見ると、頭がくらくらするのを感じました。そして、娘の輝くような丸い顔から目の光が放たれ、彼の心の火口に触れた時、王子はおのが希望の家を建てるための煉瓦を焼く溶鉱炉となったのです。
(中略)
「どこの牧場から、この美しい花ははえたのだ。どこの空から、この恵みの露はおりたのだ。いったいどこの鉱山から、この目にもあざやかな宝石は掘りだされたのだ。おお、幸せの森よ、幸運の林よ。そこに愛の饗宴の明かりに照らされた、光輝が住まうとは。おお、森よ林よ、お前が作るのは、ほうきの柄でも、くまでの横棒でも、何かの容器のふたでもなく、美の寺院の扉、美の女神の神殿の梁、それに愛の矢がらのみだったとは」
(『ペンタメローネ』2日目第7話/鳩)
イタリア人強烈。冒頭、彦摩呂か(笑)