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博物館のことを語る

東大の博物館で現在、「宇宙資源~pie in the sky~」という展示をやっております

バッテリーの電極につかうアンチモンがとれる輝安鉱、鹿児島菱刈鉱山の金鉱床のボーリングサンプル、東大が関与してる南鳥島のレアアースのほか、今年の春にロシアに落下したチェリャビンスク隕石のかけら(もともとは直径17mくらいの小惑星)などが展示されています。チェリャビンスク隕石自体は若干の亜鉛と鉄分を含んでいますが、隕石はものによっては平均的な鉱石に比べて高比率の(排気ガスの浄化対策の触媒に使われたりする)白金(もしくはイリジウムなどの白金族のもの)を含むものなどがあります。またニッケルや鉄分を含む隕石もあります。
で、隕石を含め宇宙には資源となりうる惑星・小惑星がないわけではありません。仮に、資源としてつかう、というのは極めてSFちっくな話です。小惑星イトカワから帰ってきたはやぶさの事例を考えると夢のまた夢ですし、利用しようにもコストがかかっちまって仕方ありません(ただし土星以遠の惑星にはエネルギーとして利用できる資源があることはわかっています)。かといって、いまある地球の資源というのは石油を含めいつかは枯渇するものです。アーミッシュの人たちのような近現代の技術を取り入れないような生活をおくれればそれはそれでベストですがそういうわけにもいかず、果たして技術開発や宇宙への挑戦をSFちっくなまま・夢物語のままにしていいのか、という展示です。門外漢にもわかるような展示になってます。29日までで入館は無料。