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今日観た舞台のことを語る

「阿修羅のごとく」出演:浅野温子 荻野目慶子 高岡早紀 奥菜 恵 林 隆三 加賀まりこ
・向田作品を読んだことがなく観たこともなく、熟成された恩讐のめくるめくドロドロ展開に決まっている!と身構えて観に行ったところが、見終わって「面白かった!面白かったよ!!」と天を仰ぎたい気持ちに。
・舞台では描き出しきれない部分もあるかと思いますが、「インファナル・アフェア」を観ずして「ダブル・フェイス」が面白かったと言っているようなものかもしれませんが、舞台作品として面白かったです。
・なんたって日本屈指の業が深い(と思う)女優の競演に林隆三とか。なのに演技は軽やかで、配役の妙というのもあるのかなーなど。
・お話の感想は、同じ女性でありながらも母の背中には四姉妹は全然届いていなくて、道半ばだなぁと。あとは父の孤独が、特にそれを描くシーンはないのに、ある時はっと胸に刺さります。
四姉妹の個性もよかったです。君臨すれど統治せずのマイペースな長女、世話焼きで心配性で望んでNo.2にいる次女、上の二人には子供扱いされ、下には軽んじられ、いつも報われない想いに不満を募らせる三女、一番うたれ弱いくせに強がって、噛み付くか冷やかすばかりの四女。次女役の荻野目慶子の孤軍奮闘と人一倍常識人たろうとする姿に、浅野温子に代わって「ごめんね、ねーちゃん、だめだめでごめんね…」と心の中で手を合わせました。

というわけで、思いがけずいただいたチケットでしたが、とてもとても面白かったです。残念だったのは観客がシルバー世代が多かったためか、カーテンコールを待たずに席を立っちゃって、出演の皆さんに申し訳なかったです。おもしろかった!という気持ちが俳優さんたちに届いたかなぁ。

で、面白かったけど、向田作品はたぶん今後も読まないなぁ。どろどろしてたら怖いもんね。