売れ残りの傘を積んだ荷車を引いて、おじいさんが日暮れの辻に差し掛かった時、何処からともなく
「おいてけ〜」「おいてけ〜」という声が聞こえてきました
見れば、雪に埋もれかけた七体のお地蔵が怪しく目を光らせています
おじいさんはあるだけの傘をお地蔵にかぶせていきましたが、傘は六つしかありませんでした
最後のお地蔵を前に、おじいさんはガタガタと震え、念仏を唱えては「命だけは、命だけは」とお地蔵にすがりました
翌朝、帰ってこないおじいさんを案じて、おばあさんが市へ向かっていると、辻に人だかりがありました
見ると、六体のお地蔵の頭には見覚えのある傘が、そして七体目のお地蔵の頭の上には…
打ち切り童話のことを語る