『テロ』読了。結末は二種類あり、自分が参審員として参加してるとするなら有罪とするか無罪とするか、考えてから先に進む。
以前午後ローでジェニファー・ロペス主演の『イナフ』でほんとに嫌な気分になった。特にラスト近くになって、やっと出てきた弁護士が「できることは何もありません」って、ほんとにまったく何もしなかった時。その前に出てきた警官もほんとの悪徳警官で、他の警官はいなかった。そこでは法律に関わる人間が悪あるいは悪を見逃すもので、力なき者は弱者としてされっぱなしになるか武力行使を目指すしかなかった。
法律はなんのためにあるのか。いろいろそりゃあるだろうけど、単純なわたしは、「力」のみがすべてを支配しないようにするためのものだと思ってる。本来は「力」に対抗するためのものだと。それは御託とか建前とかって言われる類い、理想論だと言われるかもだけど、でもそれなしで民主的な自由な社会なんて成り立たない。法律を尊重するのは、罰されるのが怖いからではなくて、それが基礎だから。理不尽な力を止めてくれるものと信じているから。
『イナフ』はそういうのを完全に否定した「娯楽」映画で、そこがとても嫌だった。
復讐心から