リグレッション("Regression" 2015 アレハンドロ・アメナーバル)
・児童虐待の疑いで捕まった男が、罪は認めるが記憶がないと答えるところから始まって、担当刑事のブルース(イーサン・ホーク)が追い込まれて容疑者の行動をトレースするような態度を取ってしまい、それを自覚するところから話は急展開。ブルースはしぶとかった。
・雨が降っていて、舗道が全然乾かない。屋内は暗く、灯りが隅まで届かない。催眠療法用のメトロノームの音が不快さをあおる。悪魔崇拝の話にふさわしい舞台立てで、観ていてこっちも暗示にかかってしまいそうになるが、頭のすみで「これ、イーサンがこわがってるだけじゃないの?」という気がするところがちゃんと物語上意味がありました。
・臆病でかっとしやすく直情的だが最後の最後であきらめない。全然人の話を聞かないというわけではなく、学びたいと願い、ときには正直に「間違っていた」「こわかった」と告白する。頼りにはならないが、全然任せられないわけでもない。そんなイーサン・ホークでした。「ひどい顔をしているぞ、しばらく休め」と言われているときの、ほんとにひどい顔がひどかった。すばらしかった。
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