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新日本プロレスのことを語る

えるしっているかちほうでは「ワールドプロレスリング」のほうえいがなんしゅうもおくれてるんだぜ。

ジェイ・ホワイトのことなど

序章

うん知ってる。何と言ったってキングメイカーの外道がついてるんだもの、全ては大きな目標に向かって動いてるってこと。
何を語ったところで。ましてやわしのようなニワカが。

対オカダ戦にて

MSGのタイトルマッチをTVで見た。
ジェイ・ホワイトがレインメーカーをペタンと座り込んで避けた場面があったやん。
技を受けずにスカして観客からブーイングを受けるのはヒールレスラーの大事な仕事やからそれ自体はええねん。問題はその避け方やねん。いや、厳密に言うとそれも違うな、誰が・どんな避け方をするか、やねん。
あの場面から初心者なりに読み取れたのは疲れて動けない素振りな文脈。それはこの試合の中でジェイが何度か形を変えて見せていたし、プロレスにおいては常套手段だろうけど、あの時だけは異質な感じがした、あまり良くない意味で。レインメーカーをあんな避け方する人はまず見たことない。現にその後ジェイは何度もレインメーカーをかわしたが、それらはいずれもまっとうというか、とにかく変な感じはなかった(むしろそれらが試合の見処だったわけで。あの切り返し合いはおもろかったNE)。
わしは、ああいう避け方は、身も蓋もない言い方をしてまうと、大きなケガをしたか、ケガが蓄積してきた等で身体の動きがままならなくなってきて(主にはベテランが)戦い方を変えざるを得なくなった時にやるもんやと思う。あんなに身体が元気で若いうちからああいうスタイルって、どうなん? と思う。それを偏執的なこだわりあるいは好みの問題として置くとしても、あれはほんまにジェイの「がら」に合ってるのか? というところに疑問がある。

家人の感想から - ジェイ・ホワイトの立ち位置

家人は結構私の趣味に付き合ってくれるので一緒にTVを見ていたが、「ジェイ・ホワイトって若いんやね」「あの若さであの扱いっていうのは、今後長く中軸を任せていこうって期待されてるってことやね」と、きっちり本筋の把握に至っていた。私よりはプロレスに触れている時間がずっと少ないはずなのだが、相変わらずクレバーなんである。
私たちは、ジェイが寮に入ってヤングライオンとして練習してきたこと、それ以前には他の団体での経験期間が短くてほぼ新日本プロレス育ちといっていいことを知っている。会社・観客からの期待も、本人の腹の据わり方も、いわゆる「ガイジン」レスラーとは違うであろうことを推察している。別格なのだ。
そんなジェイが海外修行から帰ってきたらワルくなってた、それは近年のトレンドらしいので珍しくないにしても、それだけに他のレスラーとは違う際立った個性が欲しい。なおかつ、その時の勢力図に過剰適応するのではなく、長い期間スターでいられるような「芯」があれば良いという欲が私にはある。

それでええのんかジェイ - なんか引っ掛かる私

リングサイドの解説を聞いていると、ジェイの評価として頻出する表現が「緩急をつけた戦い方」というものだ。私が見聞きする範囲ではヒールレスラーがこう言われることが多い。内藤なんかがそうだ(内藤も大きな怪我をしてからスタイルを変えたと聞いている)。
ジェイがのらりくらりとしていて突然鋭い動きを見せるのは本当に素晴らしいと思うが、一方で少し違和感もある。なにかしっくりしない感じ。緩急をつけること自体は問題ないのだが、「緩」の時の感じがなんかな、おさまりがよくないというか。
「おさまりの悪さ」は、ヒール的ムーブにもたまに現れていると私はみている。例えば、度々やる(私は好きではないが)ローブローで金的を狙うのだって組み込み方によってはぴったりはまるかもしれないが、まだ取って付けた感じが拭えない。自信もってやれてない感じ。現にジェイのそれはあんまり上手に見えない。あれなら棚橋の方がまだ上手にやる。実は本人が納得してやってるわけではないのではないか? などと邪推する(現実的ではないが)。
そして先ほど書いたことの繰り返しになるが、彼の若さにもそぐわないところがある。これからが長いんだからさ。そこまで老獪さを極めなくてもええんとちゃうのんか。
要は(雑な言い方になるが)ジェイは決めに行く時以外は「だらっ」としている。それが嫌だとはっきり言う人もいるだろうが、あくまでも私は嫌というよりはそれが「はまってない」ところに引っ掛かっている(例えばタマちゃんもだらっとして時に素早くかつ小狡く動くが、彼の場合は統合がとれてると思う。つまり、らしい・似合う・はまっている。これは個人の人間像として、ということで試合内容とはまた別)。
スイッチブレード。どつかれながら笑う。試合後の襲撃などで見せる狂気。べらべら喋るのもとてもいい。彼の在り方には何の不満もない。だからそのアグレッシブな感じをもっとわかりやすく試合の中で押し出してほしいと思うのだ。
つまり、キャラクターが試合内容において徹底しきれてないことが、私の違和感の原因ではないか。それが今のところの分析だ。

おれがかんがえたさいきょうのジェイ

なんちゅうんかな。もっと、めちゃくちゃで前のめりな感じの方がええんちゃうんかな。
いうなれば「冷たくて頭がキレる髙橋ヒロム」みたいな。いやヒロムが頭キレないってわけとちゃうんやけど。あいつもキレるっすよ。はやく帰ってきて欲しいっすよ。ヒロムはめちゃくちゃやるけどあんまり残酷な感じはしないでしょ、そして(実際には色々考えて動いてるにしても)後先構わず暴れてるような印象を受ける、そこらが違う感じで。
「緩」の時にもピンと張りつめたものが欲しい。獲物をどうやっていたぶってやろうかと緻密に考えて機をうかがっているような。それでこそ「急」の時のスイッチブレードが冴え渡るというものではないか。そして何かに急き立てられているような「若さ」を隠さず見せてほしい。