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刑事フォイルのことを語る

やっとこさ最後まで見ました。は〜〜〜〜。
たとえば、1930 年代のイギリスやアメリカの小説を読んでると、「これ、もう、ファシズムまであと一歩じゃん」って思うことがあって、ファシズムはぽこっと突然登場したわけじゃなくてほんとふぁ〜〜〜っと世界を覆ってたんだな、そしてそのとき「科学」とか「論理」あるいは「効率」や「生産性」って顔をしてたんだな、ってつい過去形で考えてしまうけど、現実にそこと地続きの世界にいるわけで、そういう考え方の癖をごりごりと解きほぐしてくれるようなドラマでした。
サムやフォイルさんがぽつんとどうしようもなく、それぞれにああいう人だってことがまず魅力的だったけど、それぞれに誰かと二人になったときにそれはそれでまた、ほかの関係とは取り替えのきかないものが生まれていくのもおもしろかった。アダムはサムと出会ったばかりの、最初のころからナイスな人ではあったけど、一人で子どもを育てている女性に冷たく接するようなところもあって、それがサムと結婚したことによって、そういう複雑な弱さみたいなものを捨てざるを得なくなっていったのもおもしろかったし、フォイルさんの登場によって、組織としてある種自動的に動いていたMI5の面々が一人の人間として行動するようになっていって、という経緯もおもしろかった。