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Tシャツのことを語る

ニュウヨーク後に着用するTシャツを物色したのです。前日洗濯したばかりで、持てるシャツのすべてが選択肢という贅沢な状況。
翌日は休日の見込みで、暑くなるという予報。10年前なら化学繊維の速乾だの冷感だのというやつを選んだところですが、近年は綿100パーセントが好みでね。その中で薄手のものを選びたい。ちょっとサイズ大きめのやつはゆったりで良いのだが、上に半袖シャツを羽織るとTシャツの袖がチラチラするんだなあ。比較的ぴったりサイズにおかれましては、今年になって色違いで5枚くらい買ったやつがあって、ただしこれはやや厚手。数年前に買った、青色地に白いキャラクターがプリントされたあのTシャツが、サイズと厚さがちょうど良い。しかしながらそいつが見当たらない。
おかしいなー、怖いなーと思いつつ、洗濯物取り込んだまま畳んでいないし、いま眠いし、探しきれていないんだろう、そうに違いないと自分に言い聞かせます。
もう面倒だ、ちょっと厚手のやつでいいやと、茶色のTシャツを手にとって風呂場へ。入浴後に着用する衣類を置く棚に配置。
いったん手洗いを経由していよいよ入浴。その前に脱衣の行程が発生します。
まず、部屋着のタイパンツを脱ぎます。これは風呂上がりに再度着用するので、さきほど持参した茶色のTシャツと同じ場所へ。
次に、Tシャツを脱ぎます。これは、洗濯を要する衣類をためるかごに放り込みます。Tシャツをかごに投げ入れ、それをぼんやり見送っていた私は、しかし、途中で目を見開きます。
私の手を離れ、かごの底に落ちていくTシャツは、青色地に白いキャラクターがプリントされたあのTシャツだったのです。