確かに、リアリストでさえ、死者が蘇ることによって、グローバルなパワーの配分に何らかの変化が生じることは認める。ゾンビを撃退することによって他の政府よりも優位に立つ政府も出てくるだろう。高度な安全保障体制と情報インフラを有する政府は、国内でのゾンビの暴走を鎮圧し、国内秩序を再構築し、国境を越えたゾンビの侵入を阻止することができるはずだ。
リベラルなパラダイムは、グローバルな対ゾンビ・レジームの内部で形づくられる二つの重大な抜け穴の存在を予測する。(中略)第二に、リビング・デッドを擁護するための非政府組織(NGO)が、ゾンビを抹殺することの障害となる可能性があるが、これは驚くに値しないことである。
リベラルの語彙を用いるなら、ほとんどの政府は、ほとんどの時間を費やして、ほとんどのゾンビを殺すこととなる。
ダニエル・ドレズナー著 谷口功一・山田高敬訳『ゾンビ襲来 国際政治理論で、その日に備える』より。数年前に読んだ本。つい読みふけってしまった。大抵の本は再読のときの方がおもしろいですね。今夜はこれを読みながら寝ようっと。